変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは
「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。
メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。
地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。
2025年1月1日、中京銀行は消滅した
2025年の幕開けと同時に、80年以上の歴史を持つ中京銀行は完全に消滅しました。愛知銀行との経営統合により、新設銀行「あいち銀行」へと生まれ変わったのです。でも、これは単なる企業統合ではありません。
中京銀行で働いていた約880名の行員にとって、それは自分たちの「立場」が弱くなる瞬間でもありました。統合前の2022年6月。中京銀行の経営陣は「希望退職150名を募集する」と発表しました。
驚くでしょう。その直後、人手不足に陥り「採用を急いでいます」と言い始めたのです。この矛盾は何を意味しているのか。
それは、銀行という組織そのものが岐路に立たされている証。「安定」の象徴とされてきた銀行員という職業が、今、根本的に揺らいでいるのです。
年収619万円の罠|公式発表と現実の130万円ギャップ
有価証券報告書では「平均年収619万円」と記載されています。聞こえはいいですよね。ですが、転職会議やエン カイシャなどの社員口コミサイトを見ると「年収491万円」「年収500万円前後」という声が複数あります。
なぜ130万円もの差が生まれるのか。その答えは、平均年齢と給与体系にあります。公式の619万円は、管理職層を含めた全社員平均です。
一方、実際に働く若手行員が「年収いくら?」と質問されて答えるのは、自分たちの手取りベースです。つまり、30代後半以上の管理職が大きく引き上げている可能性が高い。特に問題なのは、若手の給与が業界内でも低水準だという点です。
入社1〜3年目の行員の給与は、同年代の他の金融機関と比べても見劣りするという指摘が複数あります。年功序列システムが強く、若年層の昇給が制限されている構造が伺えます。そして、ボーナスは支店成績に大きく左右されます。
営業成績が良い支店と悪い支店では、同じ年収でも6月と12月の手取りが50万円以上異なることもあり得るのです。「安定した給与」という銀行の常識は、実は「年功序列と成績次第」という綱渡りだったということです。
愛知県の人口減少が、経営危機を加速させている
ここで、背景にある地域経済の問題に触れておく必要があります。中京銀行の営業エリアは愛知県と三重県。特に愛知県の三河地方(豊田市など)が営業の中核でした。
ところが、このエリアが、今、深刻な高齢化と人口減少に直面しています。名古屋市周辺は比較的人口が安定していますが、名古屋から外れた地方部では若年層の流出が続いています。2040年時点で愛知県全体での本格的な人口減少が確実視されている。
つまり、これからの10〜20年は、銀行の貸出需要そのものが減り続けるということです。さらに、営業力の面でも名古屋銀行に圧倒的に差をつけられている。中京銀行は県内2位の地銀でしたが、県内1位の名古屋銀行との資産規模・営業力の差は大きく、地盤沈下が止まりません。
つまり、中京銀行の経営難は「銀行が悪い」のではなく、「地域そのものが縮小している」という避けようのない現実に直面しているのです。
店舗30%削減、人員25~30%削減|効率化の名の下での人手不足
2021年2月、経営陣は衝撃的な中期経営計画を発表しました。3年間で店舗数を約30%削減、人員を25~30%削減するというプランです。翌年から実行に移され、実際に支店の統廃合が始まりました。
「効率化」という大義名分のもと、残された行員に仕事が集中していきました。一人あたりの業務量は増え、支店の統廃合で営業エリアが広がり、移動の負担も増えました。ここまでなら、どの企業でも起こりうる「リストラ」の話です。
ですが、中京銀行で起きたことは違いました。人員削減の直後に「人手不足で困っている」という声が挙がり始めたのです。つまり、「削るべきではない部分を削ってしまった」という判断の誤りが露呈したわけです。
実は、希望退職に応募した150名の多くは、経験や人脈が豊富な中堅層だったと考えられます。給与が低いまま業務負担だけが増える環境から逃げ出したベテラン社員たちが去り、残された若手はより一層の業務圧力に晒されることになった。*この構図は、日本の人口減少下における組織の悪循環そのもの。
*
パワハラとノルマの二重構造|「緩い雰囲気」という評判の裏側
「中京銀行は銀行の中では雰囲気が緩く、堅苦しくない」という評価があります。実際、残業時間の平均は月22時間程度で、業界内では良い方です。有給休暇の取得推進も掲げられています。
ですが、この「良さ」は、営業職以外の話だという指摘も多くあります。営業実績がなければ、上司からの詰めが入ります。ノルマに追われる行員にとって、「緩い雰囲気」は消し飛んでしまいます。
そして、昇進・昇給は支店長の推薦に大きく左右されるため、「支店長ガチャ」という運不運が人生を左右する構造になってしまっています。優秀な行員ほど仕事量が多く、表面的なワークライフバランスの良さは、実務面では実現されていない。休みやすい支店とそうでない支店で大きなばらつきがあり、それは支店長の人格や経営姿勢に依存している。
つまり、「制度はある」が「現場では機能していない」という典型的な矛盾が存在しているわけです。
デジタル化の遅れが、経営体力をさらに蝕む
愛知銀行との統合前、「ペーパーレス化がなかなか進まない」という内部の声がありました。タブレット活用は試みているものの、事務作業の効率化は進んでいない。特に問題なのは、統合後の混乱です。
異なるシステムを持つ2つの銀行が統合される際、既存システムの統一には膨大な時間がかかります。その間、現場の行員は新旧両方のシステムに対応しなければならず、業務量はさらに増える。一方、メガバンクはどうか。
デジタル化を積極的に進め、非対面チャネル(スマートフォンアプリなど)でのサービス提供を強化しています。この差は、今後さらに開いていくでしょう。規模は小さく、効率化も遅れている。
その間にデジタルの波に取り残される。中京銀行が直面していた課題は、実は全国の地銀共通の悩みなのです。
超低金利と赤字経営|稼ぐ力そのものが限界に達している
ここまでは、組織や人事の問題を見てきました。ですが、本質的な問題はもっと深刻です。銀行そのものが「稼ぎづらい」時代に突入しているということです。
超低金利が長期化する中、預金と貸出の金利差(利鞘)は年々縮小しています。これは地銀ほど影響が大きい。中京銀行も例外ではなく、2022年度は純損失を記録しました。
手数料ビジネスで補おうとしても、信託銀行や証券会社との競争があり、中小地銀には差別化が難しい。つまり、従来のビジネスモデルそのものが破綻しかけているのです。経営陣は「現状のままでは利益が減り続ける」と認識しており、だからこそ大胆なリストラと店舗削減に踏み切った。
でも、それでも赤字は止まらない。*これが、「やばい」と言われる本当の理由です。*
「やばい」のは中京銀行だけではない|構造的な危機の中で
ここまで読んで、気づくかもしれません。中京銀行の問題は、実はその銀行固有の問題ではなく、日本の金融業界全体が抱える構造的な危機だということを。人口減少、超低金利、デジタル化の波。
これらはメガバンクも地銀も等しく直面している現実です。だからこそ、みずほ銀行は1万9000人の削減を発表し、三井住友銀行も店舗統廃合を加速させている。中京銀行が「やばい」のではなく、銀行という業態そのものが、急速に変わり始めているのです。
その環境の中で、年功序列の給与体系のまま、昇進の道も狭く、ノルマには追われ、デジタルスキルも磨く時間がない。そういう状況で20年、30年働き続けられるのか。その問いに、多くの銀行員が向き合い始めています。
「このままでいいのか?」その違和感は、実は正しい直感かもしれません。実際、多くの銀行員が「収入源を増やす方法はないか」「副業は認められているか」「転職先はあるか」という問いを、インターネットで静かに探しています。中京銀行の行員だけではなく、全国の銀行員が同じ問題に直面している。
安定という名の枠の中で、実は選択肢をどんどん失っていく。その現実に、ようやく気づき始めた人たちがいます。
では、どうすればいいのか?
銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。
その気持ち、よく分かります。実は、私はこれまで2000人以上の方の相談に乗ってきました。みなさん、同じような悩みを抱えていました。
「何から始めればいいのか」「自分にできるのか」「失敗したらどうしよう」でも、一歩踏み出した人たちは、確実に変わっていきました。LINEでは、私が実際にやってきた方法を具体的にお伝えしています。押し売りではなく、あなたの状況に合わせた提案をしたい。
まずは話を聞いてみませんか?

LINE@に登録後で登録することも可能です!
メルマガもLINE@もダブルで登録するのがオススメです!
全て同じメルマガの登録フォームとなっておりますので、ご安心くださいませー




