変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは
「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。
メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。
地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。
福岡銀行が「やばい」と言われる理由:営業エリアの人口減少が加速している
福岡銀行で働く人たちが、ここ数年、静かに不安を抱えています。それは、決して「ブラック企業だから」ではありません。会社の経営が悪いわけでもない。
むしろ、九州・沖縄のメインバンク首位を8年連続で獲得するなど、地方銀行としては優秀な成績です。では、何が不安なのか。答えは、営業地域そのものが縮んでいくということです。
福岡県の人口は2017年から2022年の5年間で約2万人減少しました。そして、これからがさらに厳しい。今後10年(2025~2035年)で約20万人減少し、働き盛りの年代(15~64歳)は12%減ります。
20年後には、実に10%もの人口が消えます。これは統計データではなく、現実です。国立社会保障・人口問題研究所の推計です。
福岡銀行の融資先を見ると、その80%以上が不動産業・建設業・住宅ローンに集中しています。つまり、人口が減れば、家も売れなくなる。土地の価値も下がる。
新しく家を買う人も減る。必然的に、融資需要そのものが消滅していくわけです。「いや、福岡県はまだ全国で人口が増えている方では?」と思うかもしれません。
その通りです。ただし、増えているのは福岡市周辺だけ。地方部、特に九州北部の離島や郡部では、深刻な人口減少が進んでいます。
福岡銀行の支店網は、そうした地域にまで広がっているのです。
10年で5%、20年で10%。融資需要の縮小は避けられない
金融庁の資料によれば、九州全体の銀行の貸出残高は、ここ5年で微増程度。しかし金利は下がり続けているため、利息収入は横ばい、むしろ減少傾向です。つまり、融資額が増えても、儲けは増えない。
人口が減り始めたら?答えは自明です。現在、福岡銀行は支店統廃合を加速させています。
2024年秋には4店舗を集約予定。その跡地は、セルフサービス型のATMコーナーに転換されます。つまり、人員は削減されるということです。
既存顧客の経営悪化リスク:不動産依存の融資構造が限界を迎えている
さらに厄介なのは、既存顧客の経営状況です。福岡銀行が過去5年間に新規融資した1兆円のうち、7000億円以上が不動産業と住宅ローン。つまり、金利が低い時代の不動産投資ブームに、銀行も乗っかった格好です。
ところが、その不動産業者たちは今、苦しみ始めています。金利が低いうちに借りた人たちも、金利上昇局面では返済が重くのしかかります。倒産、廃業、経営悪化。
福岡銀行の既存顧客の中には、そうした企業がかなり含まれているはずです。つまり、今後、不良債権化するリスクが高まっているということです。これは、銀行員の仕事に直結します。
顧客企業が苦しくなれば、融資の回収は厳しくなり、新規融資も難しくなる。結果、営業ノルマは達成困難に。給与にも影響する。
そして、人員削減へ。
給与が「安定」ではない現実:業界平均より141万円低い理由
「銀行員は給料がいい」という古い認識も、もはや過去です。福岡銀行の平均年収は、情報源によってばらつきはありますが、OpenWorkで538万円、エン・カイシャで471万円。一方、銀行業界全体の平均は788万円。
つまり、141万円~317万円も低いということです。全国の銀行221社の中で、福岡銀行は38位。地方銀行としては悪くはありませんが、業界全体では平均以下です。
若手4年目まではほぼ昇給なし。年収400万円台で停滞する構造
さらに深刻なのは、若手の給与体系です。入行1~4年目の給与は、ほぼ上がりません。年1~2万円程度。
額面18万~19万円程度で、手取りは17万円前後。一人暮らしなら生活できますが、貯蓄はほぼ不可能です。昇給の大きなジャンプが来るのは、課長代理になってからです。
つまり、7~9年目。それまでの6~8年間は、年収400万円台で停滞するということです。同期が転職していく理由は、ここにあります。
「年功序列で待つ」という価値観が、今の20代・30代に共有されていないのです。
賞与が年収の30%以上:金利低下が直結する給与への影響
さらに危ないのは、給与の構造そのものです。福岡銀行の賞与は、約5ヶ月分。つまり、年収の3割以上がボーナスということです。
基本給は低く、ボーナスで調整するという、かなり不安定な構造。金利が下がれば、銀行の利益も下がり、ボーナスは削減される。実際、ここ10年、金利は下降基調。
ボーナスは以前より減っている傾向にあります。「安定している」と思っていた給与が、実は、金利動向に直結している。つまり、銀行員の給与は、個人の頑張りではなく、マクロ経済に左右されるということです。
課長代理になるまで待つしかない。昇進スピードの遅さが生涯年収を圧迫
福岡銀行の昇進スピードは、同業他社と比較しても遅めです。一般職で入行した場合、課長代理(昇進実績が必要な最初の出世の段階)になるまで、平均で7~9年かかります。その後、課長へ昇進するまでさらに5年。
部長への昇進は20年超のキャリアが必要です。一方、横浜銀行や千葉銀行では、実力評価の色彩が強く、昇進がやや早い傾向にあります。生涯年収で考えると、福岡銀行でのキャリアは、大きなデメリットを背負うことになります。
40代で年収がようやく700万円に届く。その時点で、転職市場での価値は大きく下がります。
昇進が遅く、転勤が多い。人生設計が立てにくい職場
働く人の「モヤモヤ」は、給与だけではありません。人生設計が立てにくいという深刻な問題があります。
年功序列が強い。実力では昇進できない不透明な評価基準
福岡銀行の評価制度は、表向きは「360度評価」を謳っています。ところが、実際には「支店長の裁量が大きく、昇進基準が不透明」という指摘が、複数の口コミサイトで挙がっています。つまり、「下から評判が悪くても、上司に気に入られれば昇進できる」という、昭和的な出世ロジックが、今も機能しているということです。
実力主義のスコアは3.1/5.0。業界平均よりも低いです。これは、若手にとって心理的なストレスになります。
「頑張ることが必ずしも報われない」という無力感。そして、不透明な評価基準に対する不信感。
1~5年おきの転勤。住宅購入後の遠方転勤という「暗黙の文化」
さらに厄介なのが、転勤です。福岡銀行では、1年~5年おきに転勤があります。営業系のコース(Fコース)では、九州全域、沖縄への遠隔地転勤も当たり前。
問題は、この転勤が「人生の大切な決断」と衝突することです。「住宅購入を検討している」という時期に、急に遠方転勤の内示が来ることがあります。「そのタイミングでの転勤は避けてほしい」という相談も、会社では通りにくいのが実情です。
実際、口コミには「住宅購入後に遠方転勤となる暗黙の悪き文化がある」という指摘もあります。つまり、人事部は「転勤で人事異動を適切に管理する」ことを優先させ、個人の人生設計は二次的という意識なのかもしれません。
支店統廃合の加速:昇進枠の消滅と大規模な人員異動が近い
ここからが、最も深刻な問題です。福岡銀行は、支店統廃合を加速させています。2024年秋には4店舗を集約。
その先も、統廃合は続くと予想されます。支店が減れば、支店長の数も減ります。つまり、昇進枠が消滅するということです。
現在、福岡銀行の従業員は約3500人。支店は100以上あります。支店統廃合で、例えば支店数が20~30減れば、単純計算で20~30人の昇進枠が消えるわけです。
年間の新規昇進者が10人だとしたら、その分のポストが失われることになります。言い換えると、昇進できない人が増えるということです。今、福岡銀行にいる20代・30代の男性社員が、「課長になれるのか」という問いに対する答えが、ぐっと遠ざかっているのです。
女性は「結婚で退職」が前提。キャリアが断たれる仕組み
福岡銀行の女性社員の離職率は、かなり高いです。正確な数字は非開示ですが、口コミサイトの分析では「3ヶ月間に160人程度が転職検討している」という調査結果もあります。その中で、特に多いのが「女性の離職」です。
理由は、シンプルです。結婚と出産です。
寿退社率が高い。結婚すると出世できない暗黙のルール
福岡銀行では、「結婚すると出世できない」という暗黙のルールが存在するとの指摘があります。実際、女性管理職の比率は19.4%。全従業員の45.1%が女性であるのに対し、管理職は2割に満たない。
つまり、昇進で女性が大きく減るということです。理由は何か。それは、女性社員が結婚・出産を機に、退職を促されるからです。
「育児と仕事の両立」が制度上は用意されていても、現場では「両立している女性は、実績を上げていない」という評価につながりやすい。その結果、昇進は難しくなる。なら、退職を選ぶ。
という悪循環です。
女性管理職比率19.4%。30代での昇進は現実的ではない
女性で30代まで福岡銀行にいる場合、昇進の道はほぼ閉ざされています。30代での昇進は、男性でも限定的なのに、女性となると「配偶者転勤で退職する」という選択肢が、常に頭にあります。実際、口コミには「結婚の為、転居しなければならなかったから退職した」という女性の声が複数あります。
つまり、福岡銀行にいる女性社員にとって、キャリア構築は、大きな決断と常に隣り合わせということです。仕事か家庭か。二者択一を迫られる構造が、未だに存在しているのです。
配偶者転勤での退職が常態化。育児との両立は想定されていない
育児休暇は法的に用意されていますが、復帰後のキャリア形成は現実的ではないという指摘もあります。転勤が頻繁な職場で、育児中の親の転勤配慮は、限定的です。その結果、「育児のため、一度退職」という選択をする女性が多いのです。
ここに見えるのは、昭和的な「家族モデル」を前提にした人事制度です。「男性は仕事、女性は家庭」という古い価値観が、未だに人事施策に反映されている。
古い組織文化が「精神の負担」になっている
福岡銀行は「古い会社」という評判があります。それは、決してネガティブな意図ではなく、「昭和的な組織文化が色濃く残っている」という意味です。
「上の命令は絶対」という昭和型の意思決定。若手の提案が通らない
口コミサイトには「社風が古い」「年功序列」「上の命令は絶対」という指摘が、複数あります。これは、何を意味するか。つまり、若手の提案や意見が、組織内で軽視される傾向があるということです。
「デジタル化を進めよう」と若手が提案しても、「従来のやり方でいい」という判断が通る。経営層は「DXに投資している」と言いながら、現場では旧来のシステムが温存される。この矛盾は、組織内にストレスを生みます。
若手は「変わるべきだ」と感じ、上層部は「安定が大事」と考える。その間での葛藤が、毎日のように起こる職場になっているのです。
支店ごとに雰囲気が激変。支店長の人格で職場環境が決まる
福岡銀行には、支店ごとに「雰囲気が全く異なる」という特徴があります。これは、支店長の権限が大きく、人事評価から営業方針まで、支店長の裁量で決まるということを意味します。つまり、「支店長が良い人か、悪い人か」で、職場環境が決まるということです。
風通しが良い支店もあれば、ギスギスした支店もある。理由は、支店長の人格や管理スタイルです。この不均一性は、組織全体のモラルを低下させます。
「同じ会社なのに、支店によって雰囲気が全然違う」という感覚は、社員に対して「この会社に一貫性はない」というメッセージを与えるからです。
ワークライフバランスの悪さ:休職する上司が多い理由
最も深刻な指摘は、「ワークライフバランスの悪さ。精神を病んで休職する上司が多い」という声です。つまり、福岡銀行では、離職ではなく「休職」する管理職が相対的に多いということです。これは、その上司たちが、精神的ストレスを抱えているということを意味します。
理由は複合的でしょう。上からのプレッシャー、営業目標の達成困難さ、人員不足による業務過多。そして、変わらない組織文化への閉塞感。
管理職でさえ精神的に追い詰められる職場環境。これは、若手社員に何を示唆するか。「この会社で昇進することが、本当に幸せなのか」という問いが、自動的に浮かぶということです。
デジタル化は掲げているが、現場では古いシステムが残存
福岡銀行は、DX(デジタルトランスフォーメーション)を経営方針の中心に据えています。子会社の『みんなの銀行』も設立し、スマートフォンアプリも150万ダウンロードを達成するなど、一見すると「デジタル化に積極的」に見えます。ところが、現場の評価は異なります。
子会社『みんなの銀行』は万年赤字。DX投資の成果が見えない
『みんなの銀行』は、福岡銀行が100%出資するネット専業銀行です。ところが、「万年赤字で改善見込みもない」という口コミが複数上がっています。つまり、DX投資が成果に結びついていないという意味です。
経営層は「未来への投資」と位置付けているかもしれません。ところが、従業員から見ると「効果の見えない投資に、銀行の利益を食いつぶされている」という印象になるわけです。
旧来の紙媒体削減で業務が増加。デジタル化が負担になっている
さらに皮肉なのは、デジタル化の過程で、現場業務が増加しているという点です。紙媒体を削減する過程で、デジタルシステムへの入力作業が増えた。古いシステムと新しいシステムの並行運用で、二重入力が発生した。
結果として、業務は減らずむしろ増えている。これは、多くの企業でありがちな「デジタル化の落とし穴」です。結果として、デジタル化が、現場の負担になっているのです。
従業員の心理としては「経営層はDXを推進していると言うが、俺たちは昔のシステムも新しいシステムも両方使わされている」という徒労感が生まれます。
福岡銀行で働くことが「やばい」わけではない。ただ、この働き方を見直すなら今
ここまで、福岡銀行の「やばい側面」を列挙してきました。ですが、誤解しないでください。福岡銀行は、決して「ブラック企業」ではありません。
営業地域の人口が減少しているのは、福岡銀行の経営判断の問題ではなく、日本全体の人口減少という不可抗力です。給与水準だって、地銀としては悪くありません。問題は、「銀行一筋が、リスクになり始めた」という時代的背景です。
人口減少、デジタル化、店舗統廃合、昇進枠の消滅。これらは、福岡銀行に限った問題ではなく、日本の地方銀行全体が直面している構造的な課題です。だからこそ、今を転機にすることが大切です。
自分の働き方、キャリア設計を見直すなら、今がチャンスかもしれません。給与を増やしたい、転職を検討している、副業で収入源を作りたい。そう考えている福岡銀行の社員は、少なくないはずです。
では、どうすればいいのか?
銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。
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