神奈川銀行はやばいのか？現場で働く人たちが語る給与・キャリアの課題

変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは

「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。

メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。

地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。では、地方銀行はどうなっているのでしょうか。メガバンクの経営統合・大規模リストラの流れは、必ず地方銀行にも波及します。

すでにそれは始まっています。神奈川銀行も、その例外ではありません。2023年2月、横浜銀行の完全子会社化が決まりました。

親会社の規模は、子会社の約40倍。身も蓋もない言い方をすれば、吸収されたも同然です。でも、もっと根本的な問題は、その前にある。

人口減少、低金利、融資需要の縮小。そして、何より「このままでいいのか？」という、働く側の根本的な疑問。それが、この銀行を「やばい」と検索する人の、本音なのではないでしょうか。

「給与が低い」は本当か：年収526万円という現実

まず、給与の話から。神奈川銀行の平均年収は526万円。聞こえはいいですね。

でも、銀行業界の平均は686万円。160万円も低いわけです。有価証券報告書に載っているデータなので、これは「口コミの噂」ではなく、公式な数字です。

さらに悪いのは、昇給スピードの鈍化。新入社員（25～29歳）の平均年収は332万円。手取りだと15万円程度という証言もあります。

一人暮らしできるか、ギリギリですね。ここからが問題です。35歳を過ぎると、昇給のスピードが急激に落ちる。

30代前半で年80万円程度の昇給があるのに対し、35～40歳では年43万円程度。それ以降、ほぼ横ばいです。「若いうちは年収が高い方だと思いますが、その後の伸びは少ない」という20代社員の証言が、それを物語っている。

つまり、この銀行での人生年収は、決まったようなものなんです。昇進すれば上がるのか？課長で853万円、部長で1,028万円という話もありますが、昇進枠そのものが限定的。

全員が昇進できるわけではない。そうなると、20代後半から「この先、どうなるの？」という不安が、自動的に浮かんでくる。

「存在感がない」という静かな危機感

神奈川銀行がメインバンクだと答える企業の割合は、わずか1.7%。一方、県内の信用金庫各行は、それぞれ数%～数十%のシェアを持っている。つまり、地元の中小企業からしても、神奈川銀行は「二番目、三番目の銀行」という立場なわけです。

「テリトリーがあってないようなもの」という信用金庫関係者の評価もあります。地元密着とは名ばかり、実際には地域での存在感がない。これが何を意味するか。

融資需要を掘り起こし、成長を期待することが難しいということです。神奈川県の人口は、ここ2年連続で減少しています。高齢化も急速に進行中。

経営陣が「地域プレゼンス向上」を掲げたのは、裏返せば「今、存在感がない」という自白です。営業担当者からすると、既存顧客の世話をするだけで、新規開拓は難しい。融資先の廃業・後継者不足も深刻。

利益を生むための営業活動が、どんどん難しくなっていく。それでも、ノルマは変わらないという無言のプレッシャーが、現場に積み重なっているわけです。

「給与引き上げ」と「人員削減」の同時進行

2025年、横浜銀行との経営統合が本格化する中で、神奈川銀行の従業員には一律の給与引き上げが実施されました。朗報に聞こえますね。でも、働く側の感覚は複雑です。

なぜなら、親会社のシステムに統合される過程で、「効率化」という名の業務削減が避けられないからです。イメージしやすく言えば、スマートフォンで古いアプリを新しいOSに移行するみたいなもの。その際に、「不要な機能」は削ぎ落とされる。

その「不要な機能」とは、しばしば「人員」を意味します。預金残高で40倍の規模差がある親会社。システム統合の後、「ここはこっちで対応できるな」という部署は、確実に吸収されるでしょう。

昇進枠も？当然、狭くなります。だから、給与引き上げのニュースは、表面的には朗報だが、従業員の心に浮かぶのは「これは緩和策？それとも、人減らしの前振り？」という疑問なのです。

「古い体質」が若手を追い出す仕組み

「昭和的な精神論」「気合いでどうにかなる」「根性論」これらの表現が複数の退職者から出てくるということは、単なる「昭和懐古」ではなく、実際の職場環境を反映している可能性が高い。対比させるなら、デジタルスキルを磨きたい20代にとって、この環境は窒息しかねません。でも、昇進するには資格取得が必須。

強制的に勉強させられる。それでも昇進は遅い。つまり、努力が報われるまでのタイムラグが長すぎるんです。

5～7年目の離職が多いという統計は、ここに理由がある。新入社員の理想と現実のギャップが、ちょうど5～7年で「もうダメだ」という確信に変わるのです。同期が転職する。

「あいつはどこに行った？」と聞くと、「IT企業に転職した」「ベンチャーに行った」その話を聞いて、羨ましいと思わない人間はいない。自分はここで、あと何年、同じサイクルを回すのだろう？その問いが、心の奥に残り続ける。

転勤と育児：女性が「両立」を諦める理由

働きやすさスコアは3.4と、業界平均より高めです。育休制度も、有休取得率も、見た目は悪くない。でも、現実はどうか。

育休から復帰する際に、わざわざ通勤困難な支店へ配置されるケースがある。これは、悪意というより、単なる組織の硬直性かもしれません。「このポストが空いているから」「ここで人手が必要だから」という部内論理で判断した結果。

でも、働く女性からすると「え、なぜ？」という話です。片道2時間かかる支店に配置されれば、託児所の迎え時間に間に合わない。結果、「フルタイムに戻すしかない」「それか、辞めるか」という二者択一を迫られる。

女性管理職の割合が低いのも、こういう細部の硬直性の積み重ねなのかもしれません。制度は整っているが、その制度を生かすための柔軟性がない。それが、神奈川銀行のジレンマのひとつ。

「やばい」ではなく、「見直す」きっかけ

神奈川銀行が「やばい」ということではありません。破綻懸念もない、ビジネスモデルもある。ただ、「このままでいいのか？」という問いは、現場に確実に存在しています。

給与の成長が期待できない。昇進のチャンスは限定的。転職した同期は、新しい世界を経験している。

地域での存在感も、薄まっていく一方。経営統合で給与は上がった。でも、その代償として、キャリアの選択肢が狭まる可能性もある。

これは、神奈川銀行だけの問題ではなく、地方銀行全体が直面している「選択と縮小」の時代を象徴しているのです。メガバンクは大規模リストラを進める。地方銀行は経営統合で生き残ろうとする。

その中で、働く側には「このまま一つの銀行に身を捧げて大丈夫なのか？」という根本的な不安が浮かぶ。それが、「神奈川銀行 やばい」という検索の、本当の意味なのかもしれません。

では、どうすればいいのか？

銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。

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