変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは
「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。
メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。
地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。2024年11月、荘内銀行は秋田県の北都銀行との合併を発表しました。実行は2027年1月。
ニュースを見た社員たちの表情は、正直なところ複雑だったのではないでしょうか。「合併で経営が安定する」という説明文を読みながら、別の不安が浮かんだ人も多いはず。本店は鶴岡から山形市へ移転する。
組織は統合される。転勤の範囲も広がる。でも、これらは表面的な話です。
本当の問題は、別のところにあります。
2027年の合併発表で急速に変わる「職場」の実態
本店移転と組織統合:鶴岡から山形市へ、あなたのキャリアはどうなる?
「経営統合」と聞くと、経営者層の話に聞こえるかもしれません。でも、働く側にとって、これは人生設計そのもの。現在、荘内銀行の本店は鶴岡市。
従業員数は523人。23の営業店で庄内地方から秋田県まで営業活動をしています。合併後、新銀行「フィデア銀行」の本店は山形市になります。
これが意味することを考えてみてください。鶴岡に暮らす本部職員の多くは、山形市への転勤を選択肢として抱えることになります。不動産査定、子どもの学校、親の介護、パートナーのキャリア。
人生のすべてが、一度揺らぎます。「希望は聞きます」と人事は言うでしょう。でも、本部機能が山形市に集約される以上、鶴岡勤務の希望が通る確率はどれほどか。
組織統合で発生するのは、表面的な「効率化」ではなく、各自の人生設計に対する静かな圧力です。北都銀行との合併は、秋田県への転勤範囲の拡大も意味します。単なる「営業エリアの拡大」ではなく、人的配置の可能性が広がることです。
523人という小規模組織では、配置可能な職員の数は限定的。つまり、適性や希望よりも、組織の都合が優先される可能性が高まります。
なぜ今、荘内銀行の社員が不安を感じているのか
2020年の決算説明では、不採算店舗の閉鎖による損失が計上されていました。つまり、すでに一部の店舗では、採算性が悪化していた。それを組織内で処理してきたわけです。
合併による統廃合で、さらに店舗数が減る可能性は高い。新銀行「フィデア銀行」は、24時間体制でシステムを整理し、重複する店舗を集約する。これは「当然」の経営判断です。
でも、その対象に自分の職場が入るかもしれない。その不確実性が、社員たちの心理に微妙な影響を与えています。「今は大丈夫」が、2027年も保証されるわけではない。
その空白感が、職場の雰囲気を変えています。
庄内地方の人口が2050年に30%減少|営業基盤そのものが消える現実
ここからが本質的な問題です。荘内銀行の営業基盤は、庄内地方。鶴岡市約12万3000人、酒田市約10万人。
この地域は、急速に人口が減少しています。庄内地方の一部自治体は、国立社会保障・人口問題研究所から「消滅可能性都市」に該当する可能性を指摘されています。2050年には、地域人口が30%減少するという推計も存在します。
若年層、特に若年女性が県外に流出しているためです。進学で首都圏に出た後、帰ってこない。そうなると、地元企業の後継者候補も減り、事業承継が困難になる。
荘内銀行の融資先の多くは、庄内地方の農業従事者と中小企業です。農業従事者は高齢化し、後継者は県外にいます。中小企業の経営者世代も高齢化し、引き継ぎ手がいない。
こうなると、毎年、年間1000件以上の企業が「返済困難」に転じるリスクが高まる。貸出金残高9482億円。そのうち、どれだけが「生活防衛」レベルの融資になっているでしょうか。
金融機関として「稼げる地域」がどんどん狭まっている。 これは経営陣も知っていますし、社員も肌で感じています。だからこそ、北都銀行との合併で、秋田県への営業基盤をカバーしようとしているわけです。
でも、秋田県も同じ構図。人口減少は東北全域の課題です。
年収400~450万円、それなのに「50代で頭打ち」|給与の低さが示す構造的問題
口コミサイト「OpenWork」によると、荘内銀行の平均年収は451万円(回答30人)。「エンゲージ」では436万円(44人)、「年収ラボ」では504万円。幅がありますが、概ね400~450万円の水準です。
新卒初任給は月26万円と、業界水準。ボーナスを含めると、初年度は約312万円程度。ここまでは、他の地銀と大きく異なりません。
問題は、その後です。昇給は年1回、7月。毎年、一定額の昇給が積み重なる構造なので、若い年代は業界内でも悪くない水準かもしれません。
でも、年功序列でゆっくり上がる年給は、限られています。実際のデータとして:
30代でも年収400万円に届くか届かないか程度
50代になっても600万円程度の社員が多い
という報告が、退職者の口から出ています。同じ地銀でも山形銀行は「県内では高給」という認識があるのに対して、荘内銀行は「地銀としても低め」という評価。この差は、営業利益の差に起因しています。
給与の低さは、結果ではなく、地域経済の縮小を反映しているのです。昇進後にエリア総合職を選択すると、給与が下がるという報告さえあります。昇進のメリットが、金銭面で相殺される構造。
これが、若手のモチベーションに与える影響は、経営陣が想定する以上に大きいでしょう。
ノルマ・転勤・出世枠の三重圧力|「安定」と引き換えに失うもの
荘内銀行の社員が日々向き合うのは、投信・保険ノルマの重圧です。「凄く、日々プレッシャーとの戦い」という2013年の口コミは、現在でも「ノルマが増え続ける」という報告で補強されています。銀行の本業(貸出利息)が減少する中で、手数料収入に依存する比重が高まり、その結果、営業現場のノルマが毎年増加する。
これは構造的な問題です。限定的な顧客層(庄内地方の農業従事者と中小企業経営者)に対して、投信・保険ノルマを課す。でも、お客さんの資産状況は限定的。
ノルマを達成することと、お客さんのためになることが、次第に乖離していく。その葛藤の中で働き続けることの疲労は、給与表には表れません。23店舗、523人という組織規模では、課長以上のポスト数は極めて限定的です。
全員が昇進できるわけではなく、多くの人間が「一定の職位で頭打ち」になります。その頭打ちの先輩たちを見ながら、後進たちは自分たちの未来を想像するしかありません。「出世した先輩のような人生で満足できるか」という問いに、心の底で「ノー」と答えている人も少なくないはずです。
転勤も「安定」と引き換えに求められる条件です。合併後、転勤範囲は山形県と秋田県に拡大します。配置転換が突然・強制的に行われるという報告もあり、「上司のキャラクターや配属店舗の雰囲気によって、困難な場合もある」という声が聞かれます。
転勤の希望は「人事面談で聞く」ことになっていますが、「叶うかどうかは別」というのが、現場の認識です。
「安定」の正体とは
荘内銀行が「やばい」わけではありません。経営体質は安定しており、親会社フィデアホールディングスの格付けもBBB+です。倒産リスクは低い。
給与も、全国平均よりは低いかもしれませんが、地元での生活に支障をきたすほどではない。でも、「安定」と言われていた銀行員の働き方そのものが、転換点を迎えているのかもしれません。給与は上がらない。
営業圧力は増す。出世しても、親世代ほどのキャリアの満足度は得られない。転勤という人生への干渉は続く。
地元経済は衰退し、仕事の意義を感じにくくなる。そしてもう一つ。合併による不確実性です。
2027年までの2年強、「自分たちの組織がどうなるのか」という問いが、常に頭の片隅にあります。これは、メンタルヘルスに影響を与えます。「このままでいいのか」という問いが、心の奥に残るのは当然です。
荘内銀行の従業員が「言語化されていないモヤモヤ」を抱えている理由は、そこにあります。組織が「安定している」と言っても、自分たちの働き方が「安定している」とは言えないのではないか。収入源を増やすことを考えている人、別のキャリアを模索している人、今の職場を続けながらも「他の可能性」を探りたい人。
その気持ちは、決して珍しくありません。
では、どうすればいいのか?
銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。
その気持ち、よく分かります。実は、私はこれまで2000人以上の方の相談に乗ってきました。みなさん、同じような悩みを抱えていました。
「何から始めればいいのか」「自分にできるのか」「失敗したらどうしよう」でも、一歩踏み出した人たちは、確実に変わっていきました。LINEでは、私が実際にやってきた方法を具体的にお伝えしています。押し売りではなく、あなたの状況に合わせた提案をしたい。
まずは話を聞いてみませんか?

LINE@に登録後で登録することも可能です!
メルマガもLINE@もダブルで登録するのがオススメです!
全て同じメルマガの登録フォームとなっておりますので、ご安心くださいませー




