山形銀行はやばいのか｜銀行員が直面する給与と将来のリスク

変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは

「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。

メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。

地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。山形銀行で働く人たちが最近、静かに不安を抱えているという話を聞きます。「この働き方、本当にあと10年、20年続けられるのか」という問いです。

メガバンクの大規模リストラが報道される中、地方銀行で働く人たちは何を感じているのでしょうか。「安定」だと思っていた職場が、本当に安定なのか。それとも、見えない変化が進んでいるのか。

山形県の人口減少が、あなたの融資先を奪っていく

まず、目の前の現実から目を背けることはできません。山形県の人口は2010年の117万人から、2024年には106万人前後まで減少しました。わずか14年で10万人以上が消えた計算です。

国勢調査や総務省の推計データから見えるのは、単なる「人口減少」ではなく、特に若年女性の流出が止まらないという厳しい実態です。高齢化率は30%を超え、全国の平均から大きく外れています。消滅可能性自治体も県内の大半を占める。

つまり、山形銀行の融資先である地元中小企業も、農業経営者も、製造業の工場も、同じ波に飲まれているということです。融資ニーズが減少すれば、銀行の利息収入は当然、圧迫されます。そして、利息収入が減れば、給与や昇進機会にも直結する。

これは銀行員個人の頑張りでは解決できない、構造的な問題です。新入社員の給与は230万円。30年働いても、公式発表の「30歳で500万円、40歳で800万円」という数字に実績年収が追いつくのか。

口コミサイトと有価証券報告書の間には200万円近い開きがあり、実態は不透明です。これが、若い職員が先を見失う理由の一つになっているのでしょう。

給与は448万円のはずなのに、手取りの現実とのギャップ

山形銀行の平均年収は448万円とも、630万円とも、656万円とも言われます。情報源によって200万円以上の開きがあるというのは、何かおかしい。公式発表と実績値のズレは、ボーナスの変動や部署による差を示唆しています。

営業系職員の月給は最大でも300,000円程度。ノルマ達成時の報酬が少ないわりに、その時間を時給換算すると銀行業界平均を下回る計算になることが多い。つまり、給与として表面に出ている数字と、実際に手元に残る金額の差が大きい。

加えて、投資信託や生命保険のノルマが厳しく、成績が上がっても評価されない構造になっているという指摘が複数あります。「なぜ、こんなに頑張っているのに？」という感覚が、職員の中に積もっていくわけです。

昇進に10年かかる組織で、40代の将来は既に決まっている

年功序列が「原則」である限り、実力が直結しない世界があります。一般行員から主任へ、主任から課長へ。このステップに通常10年以上かかります。

OpenWorkのデータでは、人事評価の適正感が2.6/5.0という驚くほど低いスコアになっています。同じ給与でも、支店によって、上司によって、評価が180度違う。そんな不透明感を感じながら働く状況です。

支店長昇進すら、支店規模に左右されるという現実があります。地元志向で転勤を避けようとした職員は、自動的に昇進機会から外れる。つまり、自分のキャリアパスは、自分の選択ではなく、配属された支店の規模で決まる可能性が高いということです。

40代を迎えた時、「ああ、自分の位置はもう動かない」という実感が来る。それまで10年以上の努力を重ねた結果がそれなら、心が折れるのも無理はありません。

転勤が頻繁だから、配偶者も子どもも、家族が犠牲になる

3～5年ごとの異動が標準。山形県内全域（村山・置賜・庄内地域）だけでなく、東京・大宮支店への異動もあります。共働き家庭はほぼ不可能です。

2025年3月には大宮支店が東京支店に統合される予定。これは関東営業基盤の縮小を意味しており、転勤がさらに集中する可能性も示唆しています。配偶者が同じ職場にいたら、どちらかは辞めなければならない。

子どもの学校を転校させ続けることの心理的負担は、給与には反映されません。「転勤なし職種がある」という求人は増えていますが、総合職の標準的なキャリアパスは、転勤必須です。この矛盾が、若い女性職員の離職理由になっているという報告も複数あります。

古い体制に合わせるか、辞めるか：組織文化のジレンマ

OpenWorkのスコアを見ると、興味深い矛盾があります。法令順守意識は4.7と高い。でも、風通しの良さは2.7。

つまり、「厳格な体制」と「硬い組織文化」が両立している状態です。支店間・上司による当たりハズレが非常に大きいという声が複数報告されています。同じ給与なのに、ある支店では定時で帰れるし、別の支店ではいつも残業。

上司次第で、働き方が180度違う。女性営業のノルマが減らないまま、評価も上がらないという非合理性も浮上しています。育児休暇取得は進んでいますが、復帰後に時短勤務なのに定時社員と同等のノルマを課される。

昇進は同じペースで進まない。この矛盾に耐えられず、転職を選ぶ女性職員も多いと考えられます。「法令順守」と「古い慣行」が共存する組織では、新しい人材ほど疲弊します。

格付け下げ（2024年5月）が示す、経営判断の転換点

2024年5月、日本格付研究所（JCR）は山形銀行の格付けをA+からAに格下げしました。2年連続のネガティブシグナルです。この背景には、超低金利環境の長期化、地域経済の縮小による融資需要減少があります。

ただ、もう一つ重要な要因があります。2020年時点で、山形銀行の前頭取は「経営統合の必要性はない、単独でいける」と公言していました。その後の格下げと、DX人材の中途採用募集の急増は、戦略転換の兆候を示唆しています。

デジタル化投資が後手に回り、内部育成が追いつかない状況が見えます。ここで重要な問いが浮上します。「今後5年で、経営統合の選択肢が再浮上する可能性は、本当に否定できるのか。」地域経済の進行的な縮小と、全国的な地銀再編の波を考えると、持続可能性への疑問は残ります。

山形銀行が「やばい」わけではない。でも、自分の働き方を見直す時期かもしれない

山形銀行は山形県内で圧倒的なブランド力を持つ金融機関です。不良債権比率も低く、基礎体力がないわけではありません。ただ、働く個人の視点に立つと、話は変わります。

「このままでいいのか？」という問いが、心の奥に残るのは事実です。給与、昇進、転勤、組織文化、そして経営の不透明感。これらが重なる時、職員の心は静かに揺らぎ始めます。

「安定」だと思っていた職場が、実は「選択肢が限定されている状態」だったかもしれません。銀行一筋では、最大のリスクになる時代が来ているのです。

では、どうすればいいのか？

銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。

その気持ち、よく分かります。実は、私はこれまで2000人以上の方の相談に乗ってきました。みなさん、同じような悩みを抱えていました。

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