変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは
「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。
メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。
地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。
地方銀行の宿命――広島県経済の縮小が給与を圧迫する構造
広島銀行で働く人が「稼げない」と感じる根本的な理由は、銀行自体の経営環境にある。広島県の人口減少は全国平均を上回るペースで進行している。2020年の約281万人から2070年には約215万人へと、この50年で約66万人(23.5%)が減少する見込みだ。
これは単なる統計数字ではなく、融資先の減少、預金量の縮小、そして給与体系の硬直化を意味している。営業エリア内の人口減少は、直接的に銀行の収益基盤を蝕む。企業融資の需要が減り、個人預金も増えず、むしろ地域外への資金流出が続く。
この現実の中で、広島銀行の給与体系は「右肩上がりの時代の遺産」として存在している。年功序列の賃金カーブは減少の一途をたどり、昇給見込みは年0.5~1%程度に低下している。広島県内に限定された営業エリアは、大手銀行との給与格差をもたらし続ける。
同じ地位でも、東京の大手銀行と広島の地方銀行では年収で50~100万円以上の差が生まれることは珍しくない。広島銀行で働く人は、「地元に根ざした安定した仕事」として入社を決めるが、その安定は営業地域の経済成長を前提にしている。しかし、その前提は失われつつある。
人口減少に伴う融資需要の天井打ちが続き、手数料ビジネスへの転換も進まない中、給与抑制は今後も避けられない構造になっているのだ。
人口減少で融資需要が天井打ち、手数料ビジネスへの転換が追いつかない
融資需要の減少は、地方銀行の経営モデル全体の崩壊を意味する。広島県内の中小企業数も減少しており、新規融資案件も限定的だ。かつて地方銀行の収益の大部分を占めていた「金利差収益」は、ここ10年で大きく縮小している。
一方、手数料収入への転換を進める銀行は多いが、広島銀行の場合、その転換スピードが業界内でも遅れている傾向が指摘されている。預金量も減少傾向にあり、運用先も限定されている。不動産投資信託や投資信託の販売強化が進むものの、顧客層が限定的であり、手数料ビジネスの拡大には限界がある。
このジレンマの中で、広島銀行の経営陣は「効率化」と「給与抑制」で対応する戦略を取っている。つまり、広島銀行で働く人の給与が増えない理由は、その人個人の成績が悪いからではなく、営業基盤そのものが縮小しているからなのだ。35年働いても、毎年の昇給が0.5~1%程度であれば、現在の年収を維持することすら難しくなる。
インフレーション調整を考えれば、実質的な所得は確実に減少していく。広島銀行で稼ぐことが難しいのは、この銀行が「稼ぎにくい環境」にあるからであり、その環境は今後も改善する見込みが低い。
持株会社化で経営効率化の陰で、現場の労働環境が二重構造化している
2020年10月、広島銀行はひろぎんホールディングス傘下の持株会社体制へ移行した。この経営統合は、「経営効率化」という名目で進められたが、現場ではどのような変化が起きたのか。持株会社化後、広島銀行内では明確な「職種の格差」が生まれている。
経営管理職や企画職、シンクタンク機能を担当する人材は、ホールディングス傘下で相対的に好遇される傾向がある。一方、支店の営業職や事務職は「現場の効率化対象」として位置づけられた。配置転換の圧力も増加し、本人の希望とは無関係に異動が決定されることが常態化している。
持株会社化によって「経営の最適化」は進んだが、それは働く人の労働環境の柔軟性と引き換えにされたのだ。
ひろぎんホールディングス傘下での「職種の格差」と配置転換の不安定性
持株会社傘下での人事評価制度は、見かけ上は透明化されたが、実質的には「選別と効率化」の仕組みに変わった。営業成績だけでなく、「経営戦略への適応度」という名の、目に見えない評価基準が導入されている。広島銀行で働く人は、従来の「年功序列 + 営業成績」という単純な評価軸から、より複雑で予測困難な評価システムへと組み込まれた。
配置転換は今後も加速する見込みだ。支店統廃合に伴う「望まぬ転勤」は、給与据え置きのまま強制されることが多い。ホールディングス傘下では、地域を越えた人事異動が可能になり、家族のいる人でも一人赴任を強いられるケースが増えている。
これは「キャリア形成」という美名の下で、実際には「人員調整と給与抑制」を実行する仕組みになっている。現場の事務職やテラー職については、デジタル化とアウトソーシングの対象となっており、正社員化から契約社員化へのシフトも加速している。つまり、広島銀行という一つの組織の中で、「保護された職種」と「切り詰められる職種」の二層構造が明確になった。
この構造は、給与格差を拡大させ、働く人の不安定性を高めている。
統廃合圧力下での「昇進レース」――出世できても給与は期待値を下回る
支店統廃合の進展に伴い、管理職ポストの削減も同時に進行している。広島銀行は2024年5月時点で124店舗を持つが、この数年で段階的な統廃合が実施されている。支店が減れば、当然、支店長や課長のポストも減少する。
しかし、行員の数はそこまで大幅には減少していない。つまり、昇進のパイが縮小しているのだ。昇進できる人は、従来以上に限定されている。
昇進できても、かつてのような「昇進=大幅な給与アップ」にはならない。特に店舗統廃合により新設された「統括支店」や「営業推進部」といった新職制では、役職手当が従来の支店長職よりも低く設定されている傾向が見られる。つまり、昇進という見かけの成功の裏に、給与的な実感は伴わないという現象が起きている。
広島銀行で働く人の中で、昇進を目指す人も多いが、その昇進による給与改善は年30~50万円程度に留まることもある。これは「昇進の魅力の喪失」を意味し、キャリア意欲そのものを削ぐ要因になっている。昇進しても、給与が大きく増えなければ、その後の人生設計に対する実感が生まれない。
それが、多くの人の「稼げない感」につながっているのだ。
店舗数124で飽和状態、2025年以降も続く人員調整と給与抑制
広島銀行は現在、124店舗という規模で営業している。しかし、この数字は「最適規模」ではなく、むしろ「過剰状態」という見方も業界内では一般的だ。デジタル化の進展により、ATMネットワークの拡充で物理的な支店の必要性は低下している。
ATM利用が全体の80%以上を占める現在、追加の支店新設は経営効率の観点からは不要だ。むしろ、既存支店の統廃合や機能集約が進む見込みだ。2025年から2030年にかけて、さらに10~20店舗程度の統廃合が検討されている可能性が高い。
これに伴い、当然のことながら人員調整も加速する。早期退職制度の拡充や、新規採用の抑制がセットで進行するだろう。
支店統廃合で生まれる「望まぬ転勤」と「給与据え置き」の悪循環
支店統廃合は、働く人に対して複数の負担をもたらす。第一に、「望まぬ転勤」である。統廃合の対象となった支店の人員は、他の支店への異動を余儀なくされる。
これは家族持ちの人にとって、大きな人生変更を強いられることを意味する。広島銀行で働く人の中には、「支店が統廃合されるまでは、この地域で働き続けられる」と考えていた人も多いはずだ。その期待は簡単に裏切られる。
第二に、「給与据え置き」である。異動に伴い、通勤手当や地域手当などの調整が行われることもあるが、基本給は据え置きのまま。これは実質的な給与減少を意味する。
年功序列で微々たる昇給が続く中、転勤による手当減少は、可処分所得の低下に直結する。第三に、これらの人事異動は「選別」の側面を持つ。統廃合時に経営陣から「選ばれない」人は、早期退職や出向を促される傾向がある。
つまり、支店統廃合は、表面的には「支店数の最適化」ですが、実質的には「人員の選別と給与抑制」の手段として機能している。この悪循環の中で、広島銀行で働く人の「稼げない感」は、個人の問題ではなく、構造的な問題として固定化していくのだ。
業界全体の手数料収入縮小の中で、広島銀行は「給与体系の後退」を余儀なくされている
日本の金融業界全体が、構造的な転換期を迎えている。低金利政策の長期化により、金利差収益は限定的になっており、各銀行は手数料収入の拡大を経営戦略の中心に据えている。しかし、その手数料収入も、投資信託の販売では顧客側のリテラシー向上に伴い、成約件数が頭打ちになりつつある。
また、外国為替手数料や決済サービス手数料も、FinTech企業との競争により圧迫されている。広島銀行も例外ではなく、手数料収入の拡大は業界平均より遅れている。預金者も貸出先も限定される地方銀行であることが、新しい収入源の開拓を難しくしている。
このジレンマの中で、経営陣が選択する戦略は、給与体系の「後退」である。年功序列カーブの平坦化、賞与の成績連動化、インセンティブ制度の厳格化――これらすべてが、働く人の実質給与の低下をもたらしている。
昇給見込みが年0.5~1%の時代、35年働いても「稼げる感覚」は得られない
具体的に考えてみよう。広島銀行の営業職が、30歳時点で年収500万円だったとする。これが年1%の昇給が続いた場合、65歳時点での名目年収は約740万円になる。
しかし、この間のインフレーション調整を考えれば、実質的な所得は確実に低下している。また、昇給が年0.5%に落ち込む時期も増えている点を考えれば、さらに状況は悪くなる。さらに問題なのは、賃金カーブの「右肩下がり化」が始まっていることだ。
55歳以降、給与が低下する企業も増えており、広島銀行でもこうした動きが検討されているという指摘がある。つまり、35年働いても、最終的には給与が減少に転じる可能性すら存在する。これでは「安定」の意味が問われる。
給与体系が「後退」している中で、広島銀行で働く人が「稼ぐ」ことは、構造的に難しくなっている。年功序列の終焉、手数料ビジネスの天井、営業エリアの経済縮小――すべての要因が、給与抑制の方向に作用している。昇給を期待して、35年働き続ける選択が、本当に正しいのかどうか。
その問いを、広島銀行で働く人は真摯に問い直す必要がある時代に入ったのだ。広島銀行という銀行そのものが「稼ぎにくい環境」にある以上、この銀行で「稼ぐ」ことを期待するのは、個人の努力では解決できない問題に直面することを意味する。安定と思われていた職場の前提が、確実に変わりつつある。
その現実に直面したとき、働く人の人生設計も、根本的な見直しを迫られるのではないだろうか。
では、どうすればいいのか?
銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。
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