変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは
「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。
メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。
地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。
「ノルマ廃止」の裏側:十六銀行で目標圧力が増し続ける理由
十六銀行が「ノルマ廃止」を標榜したのは、銀行業界全体での顧客本位経営への転換という流れの中での決断でした。しかし、その銀行で働く人たちが感じているのは、実質的な圧力の緩和ではなく、むしろ別の形での締め付けが強まっているという現実です。
目標という名の実質ノルマ、実は数年前より厳しくなっている
ノルマが「目標」に名称変更されても、その銀行の営業店では数字への圧力は変わっていません。むしろ、金融庁の目は厳しくなり、単純な商品販売目標から「顧客満足度」と「目標達成度」の両立が求められるようになりました。数字で評価される仕組みは変わらず、その上に「顧客本位」というフィルターが加わったのです。
その銀行の営業店舗では、営業店長が打ち出すKPI(重要業績評価指標)がより細分化され、管理が厳密になっています。融資目標、投資信託販売目標、保険商品販売目標—これらが月ごと、週ごとに管理され、達成度は可視化される。「目標」という呼び方は変わっても、達成できなかった人への面談は同じように行われます。
心理的な負荷は、かつてのノルマ時代と比べても軽くはなっていないのです。
営業店では「顧客本位」が後回しになる現実
その銀行の営業職員が直面しているのは、一見相反する二つの要求の両立です。金融庁は顧客本位経営を求め、経営層も「顧客ファースト」を掲げますが、支店の現場では依然として営業成績が人事評価の最大要因です。その結果、顧客にとって本当に必要な提案よりも、目標達成に必要な提案が優先されるという構造が残り続けています。
生の声として、若手営業社員からは「顧客の希望と支店の目標にズレがあるときは、どちらを優先すべきか判断に迷う」という悩みが聞かれます。建前では顧客本位ですが、実際には営業成績が昇進や人事評価を大きく左右するため、その銀行で働く人の中には、自分の提案が顧客のためなのか、支店のためなのか、判然としない日々を送っている人が少なくありません。これは単なる職場のストレスではなく、職業人としてのアイデンティティの揺らぎを意味しています。
東海3県最大級の地銀が抱える、人口減少地帯での経営危機
東海3県の中心となる岐阜県で最大級の地銀である十六銀行は、その強みの一方で、深刻な構造的課題を抱えています。営業基盤となる地域経済そのものが、急速に縮小しているのです。
岐阜県内人口減少で、支店統廃合が加速する背景
岐阜県の人口は2010年の約210万人から2023年には約190万人へと減少しています。今後も減少し続け、2040年には約160万人まで落ち込むと予測されています。この数字は単なる統計ではなく、その銀行の経営基盤そのものが縮小することを意味しています。
企業の数も減り、預貯金を必要とする個人も減る。貸出先は減少し、有力な融資先の競争はますます激化します。その銀行は、こうした環境に対応するために支店統廃合を進めてきました。
2010年代には70店舗を超えていた支店が、現在では60店舗前後にまで削減されています。その削減ペースは今後も続くと予想されます。
一人当たり業務量が急増し続ける理由は人員削減にある
支店統廃合と同時に進むのが、人員削減です。支店が減れば、当然そこで働く人の数も減ります。しかし、業務量は決して減らないのです。
むしろ、デジタル化への対応、コンプライアンス強化、新規商品の研修など、やるべき仕事は増え続けています。その銀行で働く営業職員の1人当たり処理件数は、この数年で明らかに増加しています。減る従業員数に対して、増える業務量。
その結果、労働時間は増え、精神的な余裕は減っていきます。効率化の掛け声の下で、個々の従業員の負担だけが増えているという、取り返しのつかない構造が出来上がっているのです。安定と思っていたポジションが、実は個々の負担を増し続ける構造の中に組み込まれているのだということを、その銀行で働く人は改めて認識する必要があります。
給与は「岐阜県内では高い」の落とし穴
十六銀行の給与水準は、岐阜県内の企業と比較すれば確かに高いです。ただし、その「高さ」がもたらす安心感は、実は多くの落とし穴を隠しています。
支店長年収1000万円は実績者のみ、昇進ルートは狭まっている
その銀行の支店長クラスで年収1000万円に達するというデータは、採用説明会でしばしば引き合いに出されます。しかし、この数字は事実の一部でしかありません。支店長ポストそのものが減少しているからです。
支店統廃合の結果、支店長というポジション自体が減っています。つまり、昇進の目標値は下がり、競争はむしろ激化しているのです。その銀行の中堅層(40代)の中には、20年働いても部長職止まりという人も増えています。
かつては多くの社員が支店長を経験する時代もあったかもしれませんが、今はそうではありません。昇進ルートが狭まる中で、給与水準は経験年数と実績に大きく左右されるようになり、同年代の中でも給与格差が広がり始めています。「岐阜県内では高い給与」という触れ込みは、実は昇進による大幅な収入増を前提にした話だったのです。
その前提が崩れていく中で、給与が本当に「高い」と言えるのか、という疑問が浮かび上がります。
若手がテレマーケティングばかりさせられる環境で、本来の銀行員スキルが身につかない
その銀行で働く若手社員の多くは、入社初期から「テレマーケティング」や「アプリ営業」に従事します。デジタル化への対応という名目で、彼らは電話やメール、アプリを通じた営業活動が中心となり、対面での顧客関係構築の機会が極めて限定的です。窓口での複雑な手続き、融資案件の詳細な検討、顧客の人生設計に寄り添った提案—こうした銀行員として本質的なスキルを身に付ける機会が失われています。
その代わりに効率化された営業活動だけが増えていきます。10年働いた後、「銀行員としてのスキルが何も身についていない」と気づく若手社員も、実は少なくありません。これは給与額の問題というより、キャリア形成の問題です。
その銀行で10年働いても、市場価値として何を持ち帰れるのか。他の企業で活かせるスキルは何か。同年代の業界他社と比べ、専門性や経験において見劣りするのではないか。
こうした不安が、その銀行で働く若手層の心に着実に溜まっていきます。
指定金融機関の安定性も、デジタル化とフィンテック企業の台頭で揺らぎ始めている
かつて「地方銀行の指定金融機関ポジション=安定」という単純な論理が成り立っていた時代は、確実に過去のものになっています。その銀行は岐阜県の指定金融機関としての立場を保持していますが、その地位だけでは経営の安定性は担保されなくなっています。自治体の資金需要は減り、デジタル化によって決済の仲介者としての銀行の役割は小さくなり、フィンテック企業やスマートフォン決済サービスが台頭しています。
預金・貸出・手数料という従来の三つの収入源は、すべて圧縮される方向にあります。預金はデジタル銀行に流出し、貸出先は減り、手数料ビジネスにしても、スマートフォンアプリで低廉な決済が可能になった時代に、銀行の手数料はますます競争圧力にさらされています。その銀行で働く人たちは、「このビジネスモデルで10年後、20年後も存在するのか」という根本的な問いを、心のどこかで抱き始めています。
給与は現在は安定しているかもしれませんが、その稼ぎ方自体が時代とともに変わり続けているのです。「安定」と思っていた仕事の基盤そのものが、刻々と変わっているというのが、現在その銀行で働く人たちが直面している最大の課題なのです。
では、どうすればいいのか?
銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。
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