変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは
「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。
メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。
地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。
基本給が「極めて低い」のに、昇給は年千円。10年働いても給与がほぼ変わらない理由
紀陽銀行で働く職員が、入社から10年経ってどれだけ給与が上がっているのか。その実態は、銀行という「安定企業」のイメージからは大きく外れている。新卒で入社した事務職の初任給は22万5000円(2024年時点)。
これ自体は全国的に見ても低くはない。問題は、その後の伸びにある。入社2年目の事務職員で手取り14万円というケースが報告されているほか、「昇給は年千円程度」「毎年数千円上がるだけ」という複数の証言が集まっている。
年千円の昇給では、10年経っても給与は1万円しか増えない計算だ。これは同業他行と比較するとさらに深刻だ。紀陽銀行の事務職の平均年収が333万円であるのに対し、同じ仕事をしている他の地銀の職員は年間135万円以上高い給与を得ているケースが複数報告されている。
有価証券報告書では平均年収565万円と示されているが、これは営業職の高給が引き上げているだけであり、基層従業員の給与水準は地銀の中でも最下位クラスなのが実態だ。なぜ年功序列制度があるのに昇給が止まるのか。その理由は昇進タイミングの遅さにある。
紀陽銀行では役職が付くのが一般的に30歳前後という遅さで、それまでの間、基本給はほぼ横ばいのまま。昇進までの間、給与増の期待は持ちようがない。営業職であれば成果に応じた手当が付く可能性もあるが、事務職に至っては「基本給が低い、昇給が微々たるもの」という状態が延々と続く。
一般職女性の場合、その傾向はさらに顕著で、「一般職は一人暮らしは諦めましょう」というアドバイスが先輩から向けられるほどの水準だという。若手が生活費で圧迫される中、昇進の希望も見えない。銀行員なのに「安定」とは言い難い給与構造が、ここにある。
採用者の3人に2人が10年以内に辞める。「安定」を求めて入った若手が次々と去る現実
紀陽銀行に入社する若手たちの多くは「銀行」という「安定企業」に惹かれて入ってくる。しかし、その安定への期待は入社後、短期間で崩れ去る。採用から10年後の継続雇用率は、男性34.2%、女性23.8%という数字がある。
これは何を意味するのか。逆算すると、採用されたおよそ3人に2人が、10年以内に紀陽銀行を去っているということだ。中でも目立つのが3年以内の早期離職だ。
「覚えることが多すぎる」「給与が低い割に労働負担が重い」「将来が見えない」といった理由が、内部の口コミに数多く投稿されている。この離職率の高さは、採用側にも認識されているはずだ。それでも改善されていないというのは、構造的な問題が存在することを示唆している。
若手が「安定」を求めて入ってくるが、実際に出会うのは給与の低さ、昇進の遅さ、古い慣習、そして「このまま30年この銀行にいるのか」という漠然とした不安だ。その不安は、紀陽銀行の経営状況がそれを正当化していることからも来ている。採用10年後にポストが3分の1に減る職場で「安定」を期待すること自体、難しいのかもしれない。
銀行業界全体が低迷する中、紀陽銀行のような地銀では、さらに経営統合のリスクも浮上している。従業員の間では「いつか統合されるかもしれない」という不安が潜在的に存在し、「この銀行で30年働く」という前提が揺らいでいるのだ。若手が去るのではなく、去らざるを得ない構造がここにある。
本業の利鞘が縮小し続ける。マイナス金利下で紀陽銀行の収益構造が限界を迎えている
銀行というビジネスの本来の収益源は何か。それは預金と貸出の金利差だ。その「本業」が、紀陽銀行ではもはや機能していない。
益出し余力(今後の業績改善に使える利益の源)で紀陽銀行は地銀100行中78位という水準にある。経営陣も「貧乏地銀」と自認するほどの状況だ。マイナス金利が長期化する中で、貸出利鞘は圧縮され続け、新規融資の利息だけでは経営を支える構造がもはや成立していない。
加えて、紀陽銀行は293億円の有価証券評価損を抱えており、含み損処理の余力も限定的だ。営業地盤を見ると、その限界はさらに鮮明だ。本業地盤である和歌山県は人口減少が進み、取引先企業の廃業が増加中である。
一方、戦略的重点地域として展開している大阪南部も、他の地銀や大手銀行がひしめき、新規市場獲得は困難だ。実際、貸出金の構成を見ると大阪(54%)が和歌山(34%)を上回っており、地元での融資需要が減る一方で、競合過多の大阪に頼らざるを得ない構造になっている。その結果、紀陽銀行は本業以外での手数料収入に頼る営業戦略を強いられている。
投資信託や保険商品の販売が増え、手数料獲得のプレッシャーが高まる。しかし、その施策に対し「手数料を上げる改定に顧客が不満を示し、顧客が離れていきそう」という従業員の懸念も上がっている。本業で稼げない分を手数料で補おうとする動きが、逆に顧客離れを招く恐れもあるのだ。
銀行の本来のビジネスモデルが破綻しつつある中で、紀陽銀行の職員の給与と雇用が維持されるのか。その構造的な脆弱性は、誰の目にも明らかになりつつある。
古い体質と体育会系文化が残る一方、店舗統廃合は加速。働く環境は劇的に変わりつつある
紀陽銀行の組織文化は、1997年の経営危機が形作ったと言っても過言ではない。その年、取引先『和興開発』への過剰融資(800億円近い額)から約200億円が使途不明となり、頭取の個人口座にも2億円が入金される事件が発生した。その「トラウマ」は30年近く経った現在も、組織に深く刻まれている。
新入社員は朝1時間前出社して周辺の清掃を強制され、飲み会参加も事実上のマストアイテムとなっている。「1次会のみで帰宅したい」という希望さえ、無言の圧力の前に挫折するという。体育会系の文化が色濃く残る中で、昭和的な上下関係と忠誠心の強要が続いている。
一方で、その労働環境は劇的に変わりつつある。2021年以降、紀陽銀行は13店舗のブランチイン・ブランチ(複数支店の統合)を推し進めている。統合対象には海南支店、野上支店、金屋支店など主要支店が含まれ、紀美野町では唯一の支店が消滅する事態も生じている。
統廃合の背景にあるのは、デジタル化による営業店舗の縮小戦略だ。しかし紀陽銀行は「IT化が遅れている」と従業員から評価されており、デジタル投資も他行比で遅れが指摘されている。つまり、近代的なデジタル戦略に基づく効率化ではなく、単純な「支店数削減」という旧来的な合理化が進行しているということだ。
その過程で、残された行員には転勤と心理的負担が降りかかる。支店の統廃合時期には人員配置の見直しが迫られ、希望を聞かれても「ほぼ考慮してもらえない」というのが従業員の実感だ。古い体質は残ったまま、働く職場は次々と消えていく。
その矛盾の中で、職員たちは働き続けることになる。一世代前の「朝礼は厳かに、飲み会は強制」という環境が、今は「支店は消え、転勤は突然」という環境と共存している。安定と思っていた職場環境そのものが、急速に変わりつつある現実がそこにある。
では、どうすればいいのか?
銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。
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