変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは
「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。
メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。
地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。
営業基盤が縮小中:北海道の人口減少は他地域比で加速している
北洋銀行の本店は札幌にあります。北海道を主戦場とする、第二地方銀行の最大手です。道内シェア34.79%。
圧倒的な強さですよね。ただ、その「強さ」が、ちょっと頼りなくなってきています。北海道の人口減少は、全国平均よりも加速しています。
2050年には、現在の営業エリアの人口が大きく減少すると予測されています。若年女性の域外流出が顕著で、地方小規模店舗の顧客層も高齢化が進んでいるのが実態です。人口が減れば、当然、融資需要も預金量も減ります。
預金と貸出の利鞘(利ざや)も縮小中。日銀の低金利政策もあり、かつての「預金を集めて貸せば利益が出る」という銀行業の基本構造が、もう成立しなくなりつつあるんです。「安定」の定義が、静かに変わっています。
2050年には現在の営業エリア人口が大きく減少予測
北海道の人口は、ここ20年で約50万人減少しています。2050年までに、さらに100万人以上の減少が見込まれているんです。北洋銀行で働く人の多くは、この数字を頭では理解しています。
でも、日々の業務をこなしていると、その実感は薄れます。営業成績、ノルマ、人間関係。目の前のタスクに追われていて、「20年後、この支店は存在しているのか?」という問いを、心の隅に置きながら働く。
それって、すごくストレスですよね。
預貸利鞘の縮小で「安定」の定義が変わっている
銀行の収益構造は単純です。預金と貸出の利息差で儲ける。その差(利鞘)が、今、どんどん狭くなっています。
かつては、預金2%、貸出5%で、その差3%が利益でした。今は、預金0.1%、貸出1.5%。差はわずか1.4%。
利益を同じレベルで維持するには、取扱量を3倍にしなきゃいけません。でも、人口は減っている。市場パイは縮小している。
だから、銀行は「手数料商売」へシフトしようとしています。投資信託の販売、保険商品の販売。顧客資産の「預かり資産販売」に注力するようになったんです。
その過程で、営業現場では矛盾が生まれています。
給与の実態:有価証券報告書694万円 vs 従業員実感493万円の謎
北洋銀行の公式発表では、平均年収は694万円。一方、従業員の口コミサイトでの実感値は493万円。なんと、200万円以上の開きがあるんです。
「何その差?」って感じですよね。正直、見た時の私の第一反応もそでした。この謎を解くカギは、年功序列と役職の有無です。
年功序列と役職の有無で給与に200万円以上の差
北洋銀行の給与体系は、根深い年功序列。同じ部長職でも、入行年次が違えば給与が違う。新人事制度(2025年7月導入)で「年功序列廃止」を謳っていますが、現実の影響は、これからの話です。
年功者(50代後半〜)と若手では、当然、給与に差が出ます。平均年収694万円というのは、ベテラン層を含めた全体平均。でも、実際に働く多くの従業員は、若手~中堅です。
その層の多くが、年収500万円前後なんです。さらに、役職がないと、30歳を超えたあたりから給与の伸びが止まります。
若手27万円から役職なしで停滞する現実
新卒の初任給は約27万円。昇給は年1回で、毎年数千円程度。30歳を超えても役職がなければ、昇給幅は極わずか。
同期が支店長代理や融資課長に昇進する中で、自分だけ昇給が止まっている…そういう状況が、現実にあるんです。「頑張ってる感覚はあるのに、給与に反映されない」という悶々とした感情が、長年、心に積もっていきます。営業成績をどう上げても、セールス適性がないと評価されなければ、給与は伸びない。
そして、30代後半になると、もう「逆転」のチャンスは限定的になってくるんです。
残業代がなければ年収が大きく下がる仕組み
北洋銀行の残業代は、ちゃんと支給されます。これは、従業員からの評判も悪くありません。ただし、ここが落とし穴なんです。
基本給が低く、残業代で年収をかさ増ししている仕組みになっているんです。月間平均残業時間は約16~21時間(支店による差大)。その残業代が、年間で50~100万円程度。
もし、残業時間が大幅に削減されたら?「働き方改革」で残業禁止になったら?基本給だけで換算すると、実感値がさらに下がる可能性もあるんです。
転勤は避けられない:地方配置とキャリアの関係性
銀行員と聞いて、すぐに連想されるのは「転勤」です。北洋銀行も例外ではありません。ただ、その現実は、想像より厳しいかもしれません。
新制度でも現実は変わらず:理論上27歳で支店長、実際は…
2025年7月から、新人事制度が導入されます。理論上、最短27歳で支店長昇進が可能という、かなり大胆な改革です。年功序列を廃止し、「成果主義」に転換しようという意思が見えます。
ただし、従業員からの声は冷ややかです。「理論値と現実は違う」実際に27歳で支店長に昇進する人は、ほぼいないと考えられます。理由は単純。
営業基盤が縮小しているのに、昇進枠だけが増えるわけがない。むしろ、店舗統廃合により、昇進枠は減っているかもしれません。制度としては「27歳支店長は可能」でも、組織の現実は変わらないんです。
「ど田舎への配置」を前提に考える必要がある
北洋銀行は、北海道内169店舗、東京1店舗という体制。北海道は広大です。札幌、旭川、釧路、稚内…配置先の選択肢は多い。
ただし、その多さが、ときに呪いになります。「ど田舎への配置」を避けられないんです。美しい自然の中での配置もあれば、限界集落に近い地域への配置もあります。
家族がいる場合、配偶者の転職、子どもの教育。人生設計に大きな影響を与えます。転勤理由の退職が複数報告されているのは、この現実を示唆しています。
「昇進した先輩の顔が、なぜか疲れているのか」という問いの、ひとつの答えがここにあるんです。
単身赴任手当の増額も、負担軽減には至らない理由
新人事制度で、転勤手当が大幅増額されました。単身赴任手当も増えています。ただし、手当で本当に解決するでしょうか?
経済的な補填は可能です。でも、家族と離れる心理的負担、子どもの教育環境の変化、配偶者の仕事の制限…こうした「見えない負担」は、手当では解決しません。増額は「配慮の姿勢」を示すものかもしれませんが、根本的な解決ではないんです。
店舗統廃合の加速:昇進枠は本当に増えるのか
北洋銀行は、60年続いたすすきの支店を2020年に廃止しました。札幌市内の繁華街という、象徴的な拠点の閉鎖です。これは、単なる「1店舗の廃止」ではなく、銀行の戦略転換を示唆しています。
60年続いたすすきの支店廃止に象徴される都心拠点の縮小
すすきのは札幌の中心地。多くの企業が支店を置く立地です。その店舗が廃止されたということは、「都市部での営業活動は、もう成立しない」というメッセージに他なりません。
高齢化、デジタル化。窓口に来る顧客が減った。オンライン取引が増えた。
経営層の判断は明快だったんでしょう。ただし、その判断の背景には、厳しい現実があります。
BIB(ブランチ・イン・ブランチ)化で支店数は減り続けている
「ブランチ・イン・ブランチ」という言葉が、銀行業界にはあります。複数の店舗を1つにまとめて、空いた施設は別の目的で活用する。効率化と言えば聞こえはいいですが、従業員にとっては、配置転換と人員削減が伴う話です。
この流れは、加速する可能性が高いです。人口減少、デジタル化、経営効率化。どれをとっても、店舗数の削減は避けられません。
営業基盤縮小が昇進競争をむしろ厳しくする可能性
新人事制度では「昇進機会の拡大」が謳われています。ただ、店舗数が減り、配置人員が減れば、昇進枠も減ります。理屈的には、支店数が少なくなれば、「支店長」というポジション自体が減るんです。
「27歳で支店長昇進が可能」という制度と、「店舗統廃合による昇進枠縮小」という現実。この矛盾が、今後、どう展開するのか。従業員の間でも、この違和感は感じられています。
営業ノルマとセールス圧力:向き不向きで人生が変わる
銀行業界全体の課題が、北洋銀行でも顕在化しています。それが、営業ノルマとセールス圧力です。
「預かり資産販売の手数料が高すぎる」という営業現場の葛藤
北洋銀行の営業現場では、投資信託や保険商品の販売に注力するよう、圧力がかかっています。従業員からは、こんな声が上がっています。「預かり資産販売の手数料が高すぎる。顧客のためにならない商品を売らされている感覚がある。」銀行の収益構造が変わっているため、こうした商品販売は避けられません。
でも、営業現場では、「顧客本位の営業」と「手数料商売」の間でジレンマを抱えている。その矛盾が、心に負担を与えるんです。
セールス適性がないと評価されない評価体制
北洋銀行の人事評価では、営業成績(とくに預かり資産販売)が重視される傾向があります。融資提案、カード発行、保険提案…こうした営業活動の実績が、昇進昇給に影響する仕組みになっているんです。逆に言えば、セールス適性がない人は、どんなに丁寧に顧客対応をしても、評価されにくいんです。
「向き不向き」で人生が大きく左右される。それが、北洋銀行の組織文化の一面です。
支店長の権力が強く、相性で労働環境が大きく異なる
北洋銀行は、昔ながらの銀行組織が根強く残っているんです。支店長の権力は絶大です。配置人事、評価、ボーナス査定。
多くが支店長の判断に委ねられています。「良い支店に配属されると、人間関係も良く、丁寧に学べる。でも、そうでない支店もある。」という口コミが複数あるのは、その表れです。同じ銀行、同じ職種なのに、配置運で人生が大きく変わる。
これは、組織風土の課題であり、従業員にとっては大きな不安要因なんです。
窓口対応の悪さ、システムの不具合:銀行としての基本機能に疑問
ここまで、内部組織の話をしてきました。ただ、北洋銀行の課題は、従業員の問題だけではなく、顧客サービスの面でも表出しています。
キャッシュカード・通帳の磁気不良が多発する理由
顧客からの口コミに、こんなものがあります。「2~3ヶ月で4回目の磁気不良。同じ財布に入っている他行カードは問題ない。北洋だけ。」磁気不良の多発は、製造品質の問題か、それとも運用プロセスの問題か。いずれにせよ、「銀行としての基本的な信頼」が損なわれる事象です。
これが、従業員のモチベーションにも影響します。顧客からのクレームが増えれば、窓口対応の心理的ストレスも増します。
新システム導入後、ATM処理速度がむしろ悪化した
北洋銀行は、新しいシステムを導入しました。ただし、導入後、ATM処理速度が遅くなったという報告が複数あるんです。「朝も15時も30人以上並んでいる。常に長蛇の列。」「画面切り替わりまで待つ時間の方が長い。」これは、コンビニATM無料化の検討を始めた他の地方銀行(北海道銀行など)と比較すると、利便性の差が拡大しているんです。
顧客サービスの品質低下が従業員の働きやすさにも影響
窓口対応の悪さ、番号飛ばし、ATMの遅さ。こうしたサービス品質の低下は、顧客不満を増やし、その矛先が従業員に向かいます。従業員は、システムの問題ではなく、自分たちの対応が悪いと評価される。
実際には、組織的・技術的な問題なのに。このギャップが、心理的な負担になっていくんです。
結局、北洋銀行は「やばい」のか
ここまで、北洋銀行の課題を並べてきました。人口減少、給与ギャップ、転勤負担、営業圧力、サービス品質の低下…「やばいじゃん」って感じに見えますよね。でも、ちょっと立ち止まって考えるべき視点があります。
銀行が悪いのではなく、銀行業界全体の構造が変わっている
北洋銀行の問題は、北洋銀行固有の問題ではなく、銀行業界全体が直面している構造的課題なんです。メガバンクでさえ、大規模リストラを進めています。地方銀行は、さらに厳しい状況にあります。
預金と貸出の利鞘が縮小。デジタル化で支店数が要らなくなる。人口減少で市場パイが縮小。
この流れは、北洋銀行だけの問題ではない。ですから、「北洋銀行がやばい」というより、「銀行業界そのものの構造が、大きく変わっている」というのが、より正確な理解です。
「このままでいいのか」という不安は、組織の問題ではなく、あなたの働き方を見直すチャンス
ここが重要なんです。北洋銀行で働く人が感じる「違和感」や「不安」は、決して個人の問題ではありません。組織の変化に、働き方が追いついていない。
そのギャップから生まれる不安なんです。「このままでいいのか?」という問いは、組織に対する不信ではなく、自分のキャリアを見直すきっかけになるべきものです。銀行一筋で30年。
その後、退職金をもらって終わり。そういう時代は、もう来ないかもしれません。
限られた選択肢の中での工夫から、多様な選択肢への転換へ
北洋銀行で働く人が、今、直面しているのは、「限られた道の中で、いかに最善を尽くすか」から「自分の選択肢を広げられるか」への転換です。給与が停滞するなら、副業で収入を増やす。転勤が避けられないなら、転勤を前提に人生設計を立てる。
営業ノルマが苦しいなら、適性に合わせて配置転換を検討する。*あるいは、銀行業界そのものから一歩引いて、異なるキャリアを考える。*北洋銀行の問題ではなく、自分の人生をどう設計するのか。
その問いに、向き合う時期が来ているのかもしれません。
では、どうすればいいのか?
銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。
その気持ち、よく分かります。実は、私はこれまで2000人以上の方の相談に乗ってきました。みなさん、同じような悩みを抱えていました。
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