変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは
「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。
メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。
地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。
手取り15万円の現実。新卒7年目でも「昇給ほぼゼロ」という苦しさ
伊予銀行で働く人の給与について、公開情報と現場の声に大きなズレがある。有価証券報告書に記載されている平均年収は671万円だ。一見、地方銀行として申し分ない水準に見える。
だが、同じ伊予銀行の社員データを集約した口コミサイトでは、平均年収が436万円から451万円と報告されている。200万円以上の乖離である。この差は、単に計算方法の違いではない。
平均年齢が有価証券報告書では37.4歳に対し、口コミサイトでは29.5歳と8歳以上若い。つまり、若手層の給与が極めて低い状態が、実態として存在しているということだ。具体的な数字を見ると、新卒から7年目の事務職で手取り15万円という報告がある。
月15万円であれば、年間180万円の手取りに過ぎない。ボーナスがあるとしても、初年度は寸志程度(10万円ほど)と言われている。結果として、入社5年程度の若手社員は年収400万円前後で推移しているという実態が複数の情報源から確認できる。
この数字が何を意味するのか。愛媛県の物価を考慮しても、月15万円は生活水準として低い。実際に、カードローンを利用する行員もいるという指摘さえ存在する。
安定と言われる銀行員という職業でも、若手時代には経済的な余裕がない。月々の生活が精一杯で、貯蓄やキャリア形成に向けた投資をする余裕がない社員が多いということだ。さらに問題なのは、この低い給与水準が固定化されるということである。
公式発表の671万円と現実の436万円。200万円以上の乖離が示す若手層の実態
伊予銀行の「平均年収671万円」という数字は、経営層や管理職を含めた全体平均だ。一方、口コミサイトに投稿する社員は若手や中堅が中心である。この構成の違いが、200万円という巨大なギャップを生んでいる。
つまり、経営層の高給が平均値を押し上げているシステムがある。昇進できた一部の人間と、昇進できていない多くの人間の間に、見えない所得格差が存在しているのだ。愛媛県内ではこれが「優良企業の給与水準」として認識されているかもしれない。
だが、同じ条件で入社した新卒者が、7年後も年収400万円前後のままというのは、実質的なキャリア停滞を意味している。
年功序列の檻。30代までは給与が「凍結状態」になる構造
伊予銀行の給与体系は、典型的な年功序列制度だ。営業成績やパフォーマンスがほぼ反映されず、入社年数によって給与が決まる仕組みになっている。この制度の問題は、昇給の時期が明確に限定されていることだ。
複数の社員情報から確認できるのは、30代までは給与が「凍結状態」という現実である。年1回の定期昇給があるにしても、その幅は極めて限定的で、実質的には給与が横ばいのままという人も多い。30代で初めて昇格試験の受験資格が得られ、そこから給与が加速するという構造になっているという報告もある。
つまり、20代の大半を、ほぼ昇給のない状態で過ごすことになる。月15万円の手取りから、それが5年、7年と続く。この「凍結状態」は、単なる給与の停滞ではなく、職業人としてのモチベーション停滞をも招く。
努力や成果が給与に反映されないなら、なぜ頑張る必要があるのか。その疑問が、どれだけ多くの社員の心に浮かぶか、想像に難くない。
「シップファイナンスに賭けた経営戦略」が綻び始めた。造船業の衰退が伊予銀行の収益を蝕む
伊予銀行の経営戦略の中核は、シップファイナンス(船舶融資)にある。愛媛県が海に面し、造船業が地域産業として根付いていることから、船主や造船企業への融資を専門領域として発展させてきた。この地域特性を活かした経営戦略は、人口に依存しない外部からの収益源をもたらすものだった。
かつて、この戦略は伊予銀行を地方銀行の中でも有数の利益体質企業へと導いていた。しかし、その前提が揺らいでいる。造船業と海運業は、グローバルな景気変動に左右される産業である。
かつての高度成長期とは異なり、日本の造船業は国際競争の中で苦戦を強いられている。韓国やシンガポールの造船所に市場を奪われ、国内の造船業は大きく縮小した。それに伴い、シップファイナンスという収益源そのものが縮小している。
つまり、地域経済に依存しない戦略のはずだったシップファイナンスが、今や伊予銀行の経営基盤を脅かす要因になりつつあるのだ。
愛媛県の人口減少は29番目。地域経済の先細りは経営難まで何年か
愛摩県の人口は約130万人で、全国で29番目である。この順位と数字が示すのは、人口規模としての限界が既に到達しているということだ。愛媛県全体の人口減少は加速している。
それに伴い、県内での資金需要は確実に減少する。企業の融資需要も、個人の預金も、すべてが縮小基調へと向かっている。伊予銀行は13都府県に支店展開しているものの、営業基盤の大半は愛媛県である。
シップファイナンスという外部収益源が支えてきた部分は大きいが、その支えが弱くなれば、地域経済の先細りがそのまま銀行の経営基盤の衰弱へと直結する。金融庁は既に、地銀の経営統合を促す補助制度を設けている。2026年3月末を申請期限とした「経営統合補助制度」が存在するのは、多くの地銀が経営難に直面する可能性を政府自体が認識しているからだ。
人口29番目の県を営業基盤とする銀行が、10年後、20年後にどのような経営状態にあるのか。その不確実性は、社員のキャリアにも直結する。給与が上がらないだけでなく、勤務先そのものの将来が不透明なのだ。
店舗統廃合の加速が迫る。あなたの勤務地が「いつリストラ対象になるか」誰もわからない
人口減少と資金需要の低下は、必然的に一つの施策へと導く。店舗統廃合である。伊予銀行は既に複数の店舗統廃合を実施してきた。
営業基盤の最適化という名目の下で、経営効率化が進められている。人口が減れば、その地域の支店は必要性が低下する。複数の支店が存在する地域では、統廃合の対象が決まる。
その過程で、配置転換やリストラ的な人員調整が伴うことは、銀行業界の常である。問題は、この統廃合がいつ、どの支店を対象に進められるのか、現在働いている社員には明確に見えていないということだ。支店統廃合の決定は経営層によってなされ、一般の行員に事前通知されることはない。
ある日、「この支店を閉鎖する」という決定が下った時点で、その支店の社員は転勤を強いられるか、別部署への配置転換を求められるか、退職という選択肢と向き合うことになる。
持株会社化から2年。非金融事業への「逃げ道」模索の背景にあるもの
2022年10月、伊予銀行は持株会社体制へ移行した。「いよぎんホールディングス」という持株会社の傘下に、伊予銀行が子会社として組み込まれた構造だ。同時に、伊予銀行は上場廃止となった。
投資家からの市場監視が弱まり、経営の自由度が増した代わりに、経営再建の責任が一気に高まったということでもある。持株会社化と同時に、伊予銀行は非金融事業への多角化を加速させている。新中期経営計画では、DX支援や人材紹介などの新規事業で1000人体制を目指すと明言されている。
なぜ、銀行が銀行以外の事業に急ぐのか。その背景にあるのは、銀行業そのものの先行き不透明さに対する危機感である。銀行融資だけでは収益を確保できない時代が来ると覚悟し、新しい収益源を模索しているのだ。
この構造再編は、一般の行員にどう映るのか。「銀行の業績が悪化しているから、新規事業に活路を見いだそうとしている」という認識が、社員の心に刻まれる。安定と言われた銀行が、安定を求めて事業多角化に踏み切る。
その現実は、社員の雇用不安を加速させるだけでなく、キャリアパスの不透明さをも深める。従来の銀行業一本での昇進モデルが成立しなくなり、新規事業への転換も迫られる可能性が高まるからだ。
営業成績が給与に反映されない、昇進試験は高難度。努力が報われない年功序列システムの限界
伊予銀行は「ノルマなし、目標設定方式」を公式に掲げている。だが、現場の声は異なる。実質的にはノルマと変わらず、目標達成を求める圧力が存在するという報告が複数ある。
期末に目標達成まで帰宅禁止とされる支店もあるという極端な例まで存在する。その一方で、営業成績がボーナスに反映されないというのが伊予銀行の給与体系だ。達成できたかできなかったかで待遇が大きく変わるわけではなく、基本的には年功序列による配分が決まる。
つまり、必死の営業活動と結果は、給与には結びつかないシステムになっている。昇進もまた、極めて難易度が高い試験制度である。30代前後で初回昇格試験を受験できるようになるが、その試験は厳しく、6ヶ月の勉強期間が必要になる人も多い。
点数が低ければ昇格できず、昇給も当面見送られる。複数の情報源から確認できるのは、優秀な人ほど試験前に転職してしまう傾向である。昇進試験に合格する可能性よりも、他社への転職で環境を変える方が現実的と判断する行員が多いということだ。
その結果、昇進試験に合格し、35歳で年収900万円程度に到達する層と、昇進できずに年収400万円台のまま停滞する層へと、二分化が進む。ポストの数には限界があり、全員が昇進できるわけではない。課長クラスまで昇進できない人も多いというのが現実である。
優秀な人ほど試験前に転職する。残された人たちへの警告信号
伊予銀行で昇進試験前に転職する人材の特徴は何か。営業成績が優秀で、他社からのオファーが来ている層だ。そういった人材は、伊予銀行での試験合格の可能性を見極め、合格の可能性が低いと判断したら、あるいは合格できても昇進が遅れると判断したら、転職を選ぶ。
キャリア形成上、時間を失うことは致命的だからだ。一方、試験に臨む人材は、昇進に賭ける人たちである。その中から合格者と不合格者に分かれ、不合格者は再度の試験機会を待つか、あるいは転職か。
このサイクルが繰り返されることで、昇進できなかった中堅層は組織に取り残される。実力があっても昇進できなかった人、実力不足で昇進できなかった人、両者とも年功序列の給与体系の中では、年1回の小幅昇給だけが昇給の道である。その状態で、10年、15年と勤続した時の心理状態はどうか。
「なぜ、この銀行に残っているのか」という根本的な疑問が、心の奥底に積もり続ける。給与は上がらない。昇進試験には合格できない。
キャリア形成の実感がない。その条件下で、社員のモチベーションが高く保たれるはずがない。伊予銀行という一つの銀行の実態は、地方銀行業界全体が抱える構造的な問題の象徴である。
人口減少下での経営基盤の脆弱化、年功序列システムの陳腐化、昇進枠の限定化。これらすべてが、一つの職場の中で同時進行している。「安定と言われた銀行勤めが、本当に安定なのか」その問いに、数字は明確に答えを示している。
では、どうすればいいのか?
銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。
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