変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは
「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。
メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。
地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。
有価証券報告書632万円、口コミサイト524万円―年収ギャップが示す「残業代に頼る給与体系」の現実
きらぼし銀行の平均年収は632万5000円。これは公式な有価証券報告書に記載された数字です。一見、悪くない水準に見えます。
しかし、実際に働く人が語る年収は524万円。その差は約110万円です。この数字の乖離が何を意味しているか、考えたことはあるでしょうか。
平均年齢40.8歳で632万円というのは、つまり管理職を含めた平均だということです。一方、口コミサイトに投稿する人の多くは若手や中堅行員。残業代を含めた実際の手取りが524万円という現実が、その銀行で働く若い世代の実像を映し出しています。
つまり、この銀行の給与体系は、基本給に残業代を足してようやく成立している構造なのです。
初年度は年収300万円、時給に換算したら最低賃金並み
入行初年度。月収は約20万円。夏賞与10万円、冬賞与40万円。
合計すると年収は約300万円です。300万円を時給に換算するとどうなるか。月の平均勤務時間を160時間とすれば、時給は約1,560円。
これは、東京都の最低賃金(1,113円)よりは高いですが、スキルを必要としない業界の時給とほぼ同水準です。「銀行員」という肩書で入行した初年度が、これほどまでに低い時給相当の年収だという現実。多くの新入行員は、この現実とのギャップに直面します。
そして多くの人が、「この給与で一人暮らしはできない」と感じています。実際に、「家賃補助が不十分で、一人暮らしは諦めた」という声も聞かれます。銀行に入行するとき、「銀行員は給与が高い」というイメージを持っていた人も多いはずです。
その期待と現実のズレに直面するのが、初年度の衝撃です。
基本給が上がらない6年間―「昇給がない」という絶望
より辛いのは、ここからの6年間です。基本給が、ほとんど上がりません。2年目、3年目と年を重ねても、基本給の昇給額は微々たるもの。
昇進するまで、実質的な昇給は期待できない構造になっています。そのため、若手の給与増は、ひたすら「残業代」に頼ることになります。残業が多い月は給与が増える。
繁忙期は月45時間の残業が常態化する支店も少なくありません。つまり、「月の給与が安定しない」という不安定さを抱えながら働くことになるのです。同世代が他業界で着実に基本給を上げていく中、基本給が変わらない6年間。
その間、家族計画も難しい。結婚、出産、家の購入といった人生のマイルストーンを見つめながら、給与体系の矛盾に直面する時期が訪れます。辞めたいと思うのは、この給与体系の矛盾に気づくからです。
同じ「銀行員」なのに、横浜銀行や千葉銀行の同期は年収が100万円以上高い。その事実を知ると、疑問は確信に変わります。
3年ごとの転勤で顧客との関係がリセット、それでも営業ノルマは据え置き
営業職なら、顧客との信頼関係がすべてです。時間をかけて作り上げた顧客基盤。毎月のニーズを理解した顧客。
その人たちから「このひとに相談したい」と信頼されるまでの過程。3年ごとに転勤があると、それがすべてリセットされます。新しい支店に異動すれば、顧客ゼロからのスタート。
せっかく築いた営業基盤は、次の営業職に引き継がれます。前任者の営業スタイルを学び、その土地の経済特性を理解し、顧客のニーズを深掘りするまで、短くても1年以上かかります。その過程を何度も繰り返す人生。
転勤自体は珍しくありません。しかし、きらぼし銀行の営業職にとって厳しいのは、転勤によるリセットが、営業ノルマの削減に結びついていないということです。
配属支店で人生が変わる―都心店とマイナス地域店の業務負担格差
転勤で配属される支店によって、人生が大きく変わります。都心の大型支店に配属されると、メガバンクとの競争が激しい地域です。顧客は多いかもしれませんが、すでにメガバンクに囲い込まれている層がほとんど。
新規開拓は難しく、既存顧客からの深掘りが主体になります。一方で、郊外や地方拠点の小型支店では、顧客基盤そのものが小さいため、営業ノルマをクリアするだけでも激務になります。つまり、配属先に関わらず、ノルマはほぼ同じレベルで求められるという矛盾が生じるのです。
小型支店に配属された行員が、大型支店の行員と同じノルマを課せられる。しかも支店の人員は少ないため、教育体制も十分ではありません。「分からないことがあっても、上司に相談できない」という環境で、手探りで営業を続ける。
その負担は、都心店の比ではありません。3年ごとに転勤を繰り返す中で、「今度はどこに配属されるのか」という不安は拭えません。運悪く小型支店に当たれば、その3年間は、激務との戦いになります。
店舗統廃合で営業店の人手は減り続ける
転勤の話をするだけでは、実は不十分です。配属される支店そのものが、毎年減っているのです。合併から7年。
その間、複数の店舗が一体化され、営業店の数は着実に減少しています。オフィスビルの一室を営業スペースにする「空中店舗」への移転も進んでいます。これは経営効率化の観点からは合理的ですが、現場では何が起きているか。
限られた人員で、より多くの顧客を担当することになるのです。かつてこの銀行には、直営の保養所や社員専用グランドがありました。それらは業績低迷により、すべて閉鎖されました。
経営が苦しくなると、福利厚生から切られていく。その一方で、営業ノルマだけは変わらない。それどころか、毎年増える傾向さえあります。
人手は減る。でもノルマは変わらない。この矛盾に直面する現場の疲弊は、推し量ることができません。
この5年で○店舗統廃合、でもノルマは減らない―矛盾した現場の悲鳴
統廃合は、単なる支店数の削減ではありません。それは、営業エリアの縮小と、営業基盤の喪失を意味します。営業エリアを見れば、将来は明らかです。
東京都の人口は2030年まで微増した後、緩やかに減少する予測になっています。神奈川県も同様に減少傾向です。そして2040年には、きらぼし銀行の営業エリアの高齢化率は30%を超える見込みです。
つまり、営業エリア自体が萎縮していく中で、営業ノルマだけは増え続けるという矛盾に直面しています。高齢化率30%超のエリアで、何をどのように営業するのか。年金生活者が多くなるエリアで、融資ノルマをクリアするには、どうすればいいのか。
その答えを現場は持たないまま、数字だけを追い続けることになります。
2040年に高齢化率30%超、それなのに法人営業ノルマは毎年増加
人口減少と高齢化が進む中、法人向け営業のノルマは毎年増加しています。これは、ある意味で経営層が現場の現実から目を背けているということかもしれません。営業基盤が縮小する。
顧客の成長機会も減る。その中で、過去と同じか、それ以上のノルマを求める。その矛盾に気づく現場の行員たちは、どう感じるのか。
「頑張りが評価されない。ノルマをクリアしても翌年度以降のノルマが増えるだけ」という声が聞かれるのは、その表れです。
合併から7年、それでも3行の文化が統合されていない現状
もう一つの根本的な問題があります。2018年5月の3行合併から7年。東京都民銀行、八千代銀行、新銀行東京の3行が統合されて誕生したこの銀行ですが、文化的な統合がいまだに完了していないという指摘が、内部から聞こえます。
元の銀行によって、仕事のやり方が違う。意思決定のプロセスが違う。その矛盾を現場のスタッフが日々感じながら働いています。
「合併で混乱しているのか、意思決定が遅く、方針がコロコロ変わる」「新しいことをやろうとしても、承認が下りるまでに時間がかかる」という声も聞かれます。これは、組織内の方向性の不一致を示唆しています。組織の混乱は、現場の疲弊に直結します。
明確な指針がないまま、営業を続けることの心理的負担は、想像以上に大きいのです。
昼休憩も取れない窓口業務、19時完全退社の建前、現実は「業務の先送り」
働き方改革の波は、銀行業界にも押し寄せています。19時完全退社。それは一見、ホワイト企業の証のように見えます。
しかし、現場では何が起きているか。19時までに業務を終わらせられない場合、その業務は翌日に先送りされます。つまり、残業時間を削減しているのではなく、業務を繰り上げているだけという状態です。
窓口業務の担当者は、昼休みを取ることさえ難しい環境にいます。顧客対応が途切れないため、休憩時間が後ろにずれ、結果的に帰宅時間が遅くなる。それでも「19時退社」の数字は達成されるのです。
数字の上では改善されているように見える。でも現場では、業務量は変わらず、むしろ時間圧縮による疲弊が増す。その矛盾に気づく現場の人たちにとって、「働き方改革」は、単なる「見かけの改革」に映っているはずです。
OpenWork総合評価2.93点―働く人の満足度が示す組織の疲弊
客観的な評価数字を見ると、その組織の状態が浮かび上がります。きらぼし銀行のOpenWork総合評価は2.93点(5点満点)。待遇面の満足度は2.5点。
社員の士気は2.5点。これらの数字が何を意味しているか。この銀行で働く人の過半数以上が、組織に対して何らかの不満を抱えているということです。
同じく東京都内の地銀である横浜銀行や千葉銀行と比較すると、この数字は明らかに低い傾向にあります。その差は、単なる数字の問題ではなく、組織の疲弊を示す指標になります。特に「風通しの良さ」「社員の相互尊重」といった組織文化に関わる項目で低いスコアが続いているのは、前述の「文化統合の不完全さ」と呼応しています。
「給与は高い」という評判は幻想―ノルマ達成者のボーナスからの減額制度
「銀行員は給与が高い」という世間的なイメージ。その一部は真実ですが、その多くは幻想です。特に、きらぼし銀行に関しては。
ボーナスは、目標達成度によって削減される可能性があります。ノルマを達成していても、予算比較で目標を上回ると、逆に減額されるという制度が存在します。つまり、頑張りすぎることも、ボーナスに悪影響を与えるという逆説的な構造になっているのです。
「評価制度が不明確で見通しが立ちにくい」という声が聞かれるのは、こうした矛盾した制度が存在するからに他なりません。手取りの給与が不安定。昇給が見えない。
ボーナスも予測不可能。その中で、多くの行員は、毎月の数字だけを追い続けることになります。辞めたいと思うのは、あなたが弱いからではない。
この銀行の構造的な問題に気づいているからです。営業エリアの縮小、ノルマの矛盾、不完全な組織統合、給与体系の不透明さ。これらすべてが、現場の疲弊を生み出しています。
多くの人が同じことを考えています。あなただけではなく。その事実が、OpenWorkのスコアに表れているのです。
では、どうすればいいのか?
銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。
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