軽貨物で人生逆転?──最初の配達で“逆に転んだ”男の話
「車さえあれば、月50万!」 「時間に縛られず、自分のペースで働ける!」
──SNSで流れてくる軽貨物ドライバーの広告。 まるで“自由の象徴”みたいにキラキラしてるんですよ、あれ。
で、Eさん(30代・元工場勤務)、そのキラキラに目を奪われましてね。 軽バン買って、任意保険も加入して、ユニクロのウルトラストレッチまで新調して、 「これから俺は、“自由”を配達する男になるんだ」って。
でもね、現実はというと── 初回の配達で、道に迷って3時間ロス。 地図アプリでは真っ直ぐのはずなのに、なぜか“山”が出てきて、 しかも配達先のおばあちゃん家、「表札がない・インターホンが壊れてる・犬はめちゃ吠える」の3コンボ。
そしてその配達、報酬:980円。 かかった時間:3時間強。 時給換算:約340円。 ついでに、汗の量は富士の湧水レベル。
どうも、コンプレックス研究所の“サイトウさん”です。 これまで1000人以上の相談に乗ってきましたが、その中でも特に多かったのが──
「軽貨物やってみたけど、全然稼げません…」
見た目は自由、聞こえは夢、でも中身は“完全歩合&全部自己責任”というリアル。 なぜここまで、理想と現実がズレてしまうのか?
この“軽貨物という仕組み”には、思った以上に深いワナがある。 その話、次でちゃんと面白く、ちゃんと切なく、解説します。
「“自由業”の正体は、自己責任という名のフルマラソン」
軽貨物ドライバーって、一見するとめちゃくちゃ自由そうに見える。 「好きな時間に働けて、上司もいないし、全部ひとりで完結!」 ──たしかに聞こえはいい。でも、これが落とし穴の始まりだったりする。
というのも、軽貨物は基本が“完全歩合制”。 つまり、「配達した分だけお金がもらえる」けど── 裏を返せば「配達しなければ0円」。雨でも渋滞でも、体調不良でも、休めば即、無収入。
さらに仕事の取り方も、Uber Eatsのような“アプリでポチ”じゃない。 案件は“業務委託会社”や“個人事業主ネットワーク”から手配されて、 場所も時間も、選べるようで選べないのが現実。
たとえば…
・ 朝5時集合、夜21時終了
・ エレベーターなし5階配達×12件連続
・ 高速代は自腹、ガソリン代も自腹
・ 荷物が軽いとは限らず、「段ボール3箱の水ケース」なんてザラ
・ 不在だったら再配達(報酬ゼロ)
それでも1日フルで走って、日当は7,000円台〜。 ここから車の維持費、保険、ガソリン…あれ?手元に残るの、3,000円?
自由って言葉の裏には、 「全部、自分でなんとかしてね♡」という無言のメッセージが潜んでいる。
これが、Eさんがぶち当たった“自由の代償”。 でも、彼の物語は、ここで終わらない。
“理想の働き方”は、エンジンとともに沈んだ
Eさん(30代・元工場勤務)は、ある日YouTubeで「軽貨物 月収50万円!」という動画に出会った。 “脱サラ成功”というキラーワードに目を奪われ、
つぶやく── 「これ…俺の時代じゃね?」
勢いで車をローンで購入、事業届けも出した。 “自由な働き方”への第一歩──その瞬間までは、希望しかなかった。
けど、現実はいつも、理想の逆を走る。
・冬タイヤ買ったら月の報酬が全部消えた。
・「インターホン壊れてて不在」→2階へダッシュ×3回、結局いない。
・宅配ボックスあると思ったらマンションが“ボックス詐欺”(扉だけ)。
・雨の中で段ボールがふやけてクレーム。
・ガソリン代は上がり、案件は下がり、車は沈黙。
月末、通帳を見て絶望した。 「…8万?」 そこから税金と車の維持費を引くと、手元には生活できない数字が残った。
Eさんは言った。 「工場で働いてた頃は、休憩中にバカ笑いしてたんですよね。 今?…誰とも話してないです。」
やる気はあった。夢もあった。 でもこの世界は、“がんばった人”が報われるとは限らない。
それでも彼は、自分の選択を恨まなかった。 「やってみなきゃ、ここまでの“気づき”はなかったと思うんです。」
ここで、物語は次のページへ進む。 「行動したからこそ、見えたもの」がある。 それを、そっと肯定したくて──僕は、筆を取った。
「それでも“走り出したこと”がすごいんだ」
Eさんは、自分の話の最後にこう言った。
「いや〜もう笑うしかないっすよ。
冬タイヤで全財産吹っ飛ぶとか、人生で初めてでしたもん。」
笑ってたけど、その目はちょっとだけ、悔しそうだった。
たしかに、結果だけ見れば「稼げなかった」かもしれない。
でもね、僕はこう思う。
“やってみた”って、すごいことだよ。
だって、ほとんどの人は「やらない理由」を探して一生終わる。
「失敗したらどうしよう」「時間がない」「もっと調べてから」──
そう言いながら、何年も経つ。
でもEさんは、動いた。
SNSの夢に踊らされて、車を買って、走って、迷って、クレームくらって──
それでも、自分で選んで、自分の足で進んだんだ。
それって、誰にでもできることじゃない。
もちろん、「稼げない」って現実はしんどい。
“時間もお金も、ムダにした気がする”って、何度も思ったと思う。
でも、そうやって心が削れるほど真剣に向き合った自分がいたこと。
そこに、ちゃんと意味がある。
「走ってみたからこそ、気づけたこと」がある。
地図アプリは信用ならんこと。
宅配ボックスは信用しても裏切られること。
そしてなにより──
「“理想の自由”には、思った以上の孤独がついてくる」ということ。
それを体験できたEさんは、もうひとつ先のステージにいる。
だから、Eさんにも、この記事を読んでくれてるあなたにも、
僕は言いたい。
「その一歩を踏み出しただけで、もうすでに“昨日の自分”に勝ってるよ」
これから何を選ぶにしても、
その選択は、過去の“行動したあなた”がくれたギフトだ。
さあ、次に進もうか。
「“自由”を信じたあなたへ、もう一つの地図を渡したい」
「バイトの方が稼げるんですけどね……」
そう言って、Eさんは苦笑いした。
でも、そのあとに続いた言葉が、 僕の胸をグッと掴んだ。
「でも、軽貨物の仕事、嫌いじゃなかったんですよ。」
──ああ、これが“本音”なんだって、思った。
確かに、稼げない。 案件が偏って、ガソリンが高くて、タイヤも地味に高くて、 地図アプリに裏切られて、インターホンにキレそうになって── それでも、「嫌いじゃなかった」って思える仕事って、実はそんなに多くない。
Eさんが追いかけたのは、 「月50万」とか「自由な働き方」じゃなかった。
“納得できる生き方”だったんだ。
稼げるかどうか──もちろん大事。 でも、それだけじゃ、心は満たされない。
「どんなに稼げても、心がボロボロなら意味ないっすよ」 Eさんが笑いながら言ったこのセリフに、全部が詰まってた。
きっとEさんは、“正解”が欲しかったんじゃない。
ただ、「これでいい」って自分で言える人生を歩きたかったんだ。
だから、たとえ回り道だったとしても、 汗だくで地図と格闘してたあの日々は、ムダじゃなかった。
むしろ、その遠回りの中にこそ、「本質」がある。
正直に言うと、 この道は、誰でもできるとは言えない。
楽じゃないし、最短でもない。 でも──
誰にでもできるわけじゃないからこそ、“あなたにしか選べない道”になるんだ。
Eさんは、自分で地図を描いた。 そして、壁にぶつかった。
でもその経験が、きっと次の選択を変える。 次は、間違えないように。 次は、もっと心が喜ぶ道を歩けるように。
そしてこの文章を読んでるあなたにも、 “次の地図”をそっと渡したい。
それは、正解じゃない。 でも、選択肢だ。
「みんなが足踏みする場所で、 あなただけが、前に踏み出せるかもしれない」
そんな希望をこめて、 このあとの終章で、もう少しだけ、静かに話をさせてください。
動けなかった昨日より、踏み出した今日の方が強い
ここまで読んでくれて、本当にありがとう。
「稼げなかった」 「うまくいかなかった」 「もう無理かも…」って思ってたとしても──
あなたは、ちゃんと“前を向いてる”。
だって今、こうして読んでるじゃないか。 画面越しに「何かヒントはないかな」って、 もがきながらでも、一歩踏み出そうとしてる。
それって、もう“動き出してる”ってことだよ。
誰にも気づかれないかもしれないし、 今すぐ結果が出るわけでもないかもしれない。 でもその一歩は、確かに昨日のあなたにはなかったもの。
だから、どうか焦らないで。 変わるって、別に大きなことじゃない。 ただ、自分のことをちょっと信じてみるだけでいい。
僕は、そんなあなたのことを、 少しでも応援できたらと思って、こうして記事を書いています。
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