変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは
「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。
メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。
地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。メガバンクが大規模リストラを進めている中、地方銀行の働き手たちは何を感じているのか。その答えの一つが、阿波銀行で働く人たちから聞こえてくる、ある種の「静かな絶望感」です。
「安定している」と言われて入行した若手社員が、3年目で「先がない」と感じて転職する。昇進した先輩を見ても、「ああなりたい」と思えない。転勤の辞令が出れば、家族の顔を思い浮かべ、ためらい始める。
これは、阿波銀行に限った話ではありません。ただ、この銀行には、他の地銀以上に深刻な構造的問題があるということです。
営業基盤そのものが消えゆく現実
まず、直視すべき事実があります。阿波銀行が営業の中心としている徳島県の人口は、2020年時点で95万人。それが2040年には76万人まで減少すると推計されています。
20年で20%減。これは衝撃的な数字です。単なる「人口が減る」という抽象的な話ではありません。
顧客そのものが減り、中小企業は後継者不在で廃業し、新規融資の案件は枯渇していく。営業の「食い扶持」が目に見えて縮小していく、その緊迫感を銀行で働く人たちは日々感じています。高齢化率は現在33%。
2040年には40%に達する見込みです。つまり、残る顧客の大半は高齢者。新しい借り手は現れず、既存顧客からの預金は取り崩されていく。
経営の基盤そのものが揺らいでいるのです。この環境下で、「これからキャリアを積み重ねていく」という前提は成り立つでしょうか。
年収702万円の謎:公式と現実の160万円ギャップ
阿波銀行の公式な平均年収は702万円。有価証券報告書に堂々と記載されている数字です。ところが、口コミサイト「OpenWork」での従業員回答の平均年収は520万円。
さらに別のサイトでは449万円という数字も出ています。差は150~250万円。これは誤差ではなく、構造的な問題を示唆しています。
その秘密は、若手の給与にあります。複数の退職者からの報告によると、新入行員の手取りは17万円台。年間ボーナスも初年度は50万円程度に留まります。
一人暮らしの若手にとって、これは「生活できる給与」ではなく、「親の援助があれば、なんとか」というレベルです。そして、ここからが重要。この低い給与は3年目までほぼ据え置き。
4年目から昇給が加速するという構造になっています。つまり、若手たちは見えない「3年の壁」と戦っています。「給与が上がるのは4年目から」と知っていても、3年間を月17万円で過ごすのは耐え難い。
実際、この時点で離職する若手は多く、4年目の昇給を恩恵を受ける人は限定的です。「安定している職場」のはずが、若手にとっては「3年耐えたら脱出できるかもしれない」という計算になっている。これは、その銀行で働く人たちが言語化していない、心の奥底にあるリアルな実感です。
転勤と将来設計の両立不可能性
さらに深刻なのは、転勤制度です。阿波銀行には「5年で転勤」というルールが存在します。徳島県内での異動を経て、関西(大阪・神戸)、さらには関東(東京)へ。
家を買った、子どもが学校に入った、親の介護が始まった——そんな人生のターニングポイントとは無関係に、異動の辞令は届きます。転勤手当は最大で一時金30万円、赴任手当7万円、滞在手当8万円程度。正直なところ、家族を引っ越させるコストには程遠い金額です。
複数の退職者が述べているように、「県外異動でライフプランが立てられない」というのは、単なる不満ではなく、人生設計そのものが困難になるということです。銀行に入った当初は「安定」を求めていた若手たちが、5年経つ頃には「人生の主導権を取り戻したい」という欲求に駆られている。その時点で、多くは転職を決断しています。
昭和的な組織文化とノルマの増加
管理職の比率を見ると、興味深い事実が浮かびます。女性労働者が46%を占める一方で、女性管理職は13%。この数字が示すのは、昇進差別というより、「昇進を望めない職場風土」です。
「体育会系」「昭和的」といった表現が複数の口コミに現れています。これは、古い体質という意味ではなく、「新しいことに挑戦する文化がない」「年功序列が実力を上回る」という現実を指しています。加えて、ノルマは毎年増加しています。
営業運動(カード契約など)も定期的に発生し、「お客さんに契約を強要する圧力」が生まれている。つまり、顧客満足度よりも営業成績が優先される構造が常態化しているのです。「営業だから仕方ない」では済まない問題があります。
それは、営業職だけでなく、事務職も巻き込まれているという点です。野村証券との業務提携(2011年開始)により、女性営業職の業務負荷が激増したという報告があります。制度の名目は「女性活躍」ですが、実態は「負担増」になっているのです。
デジタル化の遅れが示す、経営判断の優先度
ここに、一つの象徴的な出来事があります。2025年1月、阿波銀行はネット振込の即時機能を停止します。ほぼ全国の銀行で当たり前になった機能を、敢えて廃止するのです。
公式には「システム保守」の理由ですが、複数の口コミで指摘されているのは「システムが古い」「パソコンなどの機材の古さが目立つ」という背景。つまり、古いシステムの保守費用が嵩んで、新機能の追加が困難な状態に陥っているわけです。これは単なるIT投資の問題ではなく、経営の優先度の低さを露呈しています。
顧客サービスの向上よりも、既存システムの維持が優先される。その結果、できていたことすら「やめる」という選択になっている。銀行で働く人たちは、この矛盾を日々感じています。
「効率化しろ」と言われながら、古いシステムで手作業を続ける。顧客に「申し訳ありません」と謝罪する。その時間が、本来の営業活動を圧迫している。
退職者ネットワークが形成される意味
OpenWorkなどの口コミサイトに、ある傾向が見えます。「退職者が急増しており、相談できる人が外部にいる」という報告です。これは、かつては「転職は背信行為」という風土の中にいた人たちが、今は転職先でのネットワークを作っているということを意味します。
同期が転職し、その同期が別の会社で活躍し、さらにその人が次の誰かを紹介する。この好循環(銀行からの立場では悪循環)が形成されている。つまり、銀行を離れた人たちが、後輩たちの「逃げ道」を無意識に作り出しているのです。
これは個人の選択ではなく、組織から人材が流出する構造的メカニズムです。一度流れが始まると、それを止めるのは極めて困難になります。
やばいのは、この銀行だけではない
ここまで読んで、「阿波銀行が特別に悪いのか?」と思う人もいるでしょう。正直なところ、阿波銀行は地方銀行の中でも『典型的な課題を抱えている』だけかもしれません。人口減少、デジタル化の遅れ、昭和的な組織文化——これらは、ほぼすべての地方銀行が直面している問題です。
ただし、それでもなお、この銀行で働く人たちが「やばい」と感じるのはなぜか。それは、「このままでいいのか」という問いが、具体的な危機感に変わっているからです。20年で20%減の人口減少は、単なる統計ではなく、毎日の営業活動の中で実感される現実です。
昇進の道が見えない現実は、給与表を見れば数字で分かります。「安定」という名目の下で、実は人生の主導権を失い続けているのではないか。その問いは、銀行で働く人たちの心の奥に、深く刻まれています。
自分の働き方を見直すきっかけになるか、それとも現状維持に甘えるか。その選択肢は、その人自身の手の中にあります。
では、どうすればいいのか?
銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。
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