変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは
「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。
メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。
地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。九州・沖縄を営業エリアとする福岡銀行で働く人たちは、給与や待遇について本当のところ、どう考えているのか。「九州トップの地銀で働いている」というステータスと、手取りの給料票のギャップに、多くの行員が気づき始めている。
福岡銀行は確かに規模が大きい。総資産23兆円超、グループ全体の従業員は3500人を超える。八年連続でメインバンク首位という地位も揺るがない。
だが、その規模と安定が、本当に働く人の年収に反映されているのだろうか。
九州トップ企業でも「稼げない」仕組み|業界平均より141~317万円低い現実
福岡銀行で働く人の平均年収は、複数のデータから推定すると538~644万円とばらつきがある。一見、悪くない数字に見える。だが、銀行業界全体の平均年収が788万円であることを知ると、その相場観は一変する。
業界平均との差は141~250万円。福岡銀行は業界内221社中、38位という位置づけだ。つまり、九州トップという地位は、全国の銀行業界では「平均以下」を意味している。
より深刻なのは、入社直後の待遇だ。福岡銀行で働く若手4年目までの昇給は、年1~2万円程度。給与として、ほぼ横ばいに近い。
30代で初めて年収が400万円を超えるというのが、この銀行の実態である。その間、他の業界の同年代は、スキルに応じて年収が右肩上がりという選択肢を選んでいるかもしれない。そして重要な指摘が、賞与への依存度だ。
福岡銀行で働く人の年収のうち、3割以上が賞与によって成り立っている。つまり、月の基本給だけを見ると「手取り17~19万円程度」という事例も珍しくない。賞与が業績や経済情勢に左右される時代において、この構造は不安定そのものだ。
昇進によって給与が大きく変わるのは、課長代理に達してからだ。7~9年目でようやく課長代理になり、そこで初めて年収が上がる仕組みになっている。つまり、入社から課長代理まで、ほぼ10年近く給与が据え置かれ続けるという構図だ。
この現実に気づいた行員たちは、よく「年500万円の壁」と表現する。課長代理になるまで、年収500万円を越えることはない。九州トップの地銀の行員が、10年働いてようやく年500万円というのは、果たして「安定」と呼べるのか。
20年後、福岡県の人口は5%減少|不動産融資に依存する経営基盤の終わりの始まり
福岡銀行の営業エリアにおいて、ある構造的な時限爆弾が静かに進行している。それは人口減少だ。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、福岡県は2025年から2045年の20年間で、人口が約10%減少する。
特に働き手となる15~64歳の労働年代人口は17%の減少が見込まれている。この減少速度は、表面的な数字以上に深刻だ。この人口減少は、銀行にとって何を意味するのか。
単純に言えば、融資先が消える、預金が減る、そして支店の存在意義が問われるということだ。だが、福岡銀行がこの危機に対して、どの程度の準備をしているのかは、その融資構成を見ると一目瞭然だ。過去5年間の新規貸出を見ると、その実に7割以上が不動産業と住宅ローンに集中している。
この5年間で約1兆円の貸出が増えたが、そのうち7000億円以上が不動産関連だ。言い換えれば、福岡銀行は人口減少が迫る福岡県で、不動産融資に賭けて経営を成り立たせている状況だ。低金利環境が続く中での不動産融資への依存は、一種の綱渡りだ。
不動産投資ブームによる貸出需要で数字を作っているが、その利幅は限定的だ。実際、利息収入で稼ぐビジネスモデルは既に限界に達している。貸出残高は増えても、金利が低いため利益に転換されない。
同時に、低金利は預金の運用収入も減らし、収益基盤全体を圧迫している。つまり、福岡銀行が「稼げない」と感じるのは、個別の待遇問題ではなく、営業基盤そのものが人口減少という構造的な変化の中で侵蝕されつつあるからだ。人口が減り、企業が減り、融資先が枯渇していく中での営業活動は、努力と成果が比例しない世界になる。
行員たちが感じる「稼ぎにくさ」は、個人の能力ではなく、エリア経済の衰退そのものが原因なのだ。
昇進は「実力」ではなく「上司との関係」|年功序列の呪いで20代は給与が上がらない仕組み
福岡銀行で働く人たちが、もう一つ感じている不公平さがある。それは昇進の透明性の欠如だ。公式には「360度評価」という仕組みが存在する。
部下からの評価も反映される、という理屈になっている。だが現実はどうか。転職会議やOpenWorkの口コミを見ると、「下から評判が悪くても上司に気に入られれば出世できる」という指摘が複数上がっている。
つまり、評価システムは名ばかりで、昇進の実質的な決定権は支店長や所属長の一存にかかっている。年功序列の色合いが強く、実力主義のスコアは5点満点で3.1という低さだ。つまり、どれだけ営業成績が良くても、上司との関係性が悪ければ昇進の道が遠ざかる可能性が高い。
昇進に必要な資格取得も必須だが、その勉強は勤務後の個人時間を割いて行わねばならない。入社から課長代理までの10年間、行員たちは確実な評価基準のない世界で、上司の顔色を伺いながら働き続けることになる。この問題は、特に女性の働き手に深刻な影響を及ぼしている。
福岡銀行の女性管理職比率は19.4%に留まっている。これは、女性が昇進できないのではなく、昇進する前に組織を去っているからだ。多くの女性行員は、結婚や出産のタイミングで離職を選ばざるを得ない構造になっている。
その背景には、根深い職場文化がある。「結婚の為、転居しなければならなかったから退職した」という女性の証言がある一方で、「行員同士で結婚するとどちらかが出世できない」という暗黙の掟すら存在する。つまり、昇進という見返りを前提に、人生選択を迫る仕組みだ。
さらに転勤の構造も、この問題を深刻にしている。エリアコースでの採用者は、1年~5年おきに転勤がある。福岡県内だけでなく、九州全域や沖縄への転勤もあり得る。
住宅購入後に遠方転勤を命じられるという事例も報告されており、人生計画そのものが立てにくい環境だ。昇進は「実力」ではなく「上司との関係」という非透明性、転勤の頻繁性、結婚・出産による離職圧力。これらが組み合わさることで、特に女性にとって福岡銀行は「キャリアを築ける場所」ではなく、「一時的な就職先」として機能してしまっている。
2023年の福岡中央銀行経営統合は序章|10年以内に九州全体で1~2行への再編が必至
2023年10月、福岡銀行の親会社であるふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は、福岡中央銀行を子会社化した。表向きは「経営統合」だが、事実上の吸収である。日本経済新聞は「半世紀越しの統合」と報道し、これまで競合関係にあった地銀が統合されたことの重みを伝えた。
だが、FFGの支配下には既に熊本銀行と十八親和銀行もある。つまり、FFGは九州・沖縄地域における三つの地銀を統合するという歴史的な再編を進めている最中なのだ。この動きは、福岡銀行で働く人たちにとって、何を意味するのか。
まず確実に起こるのが、店舗の統廃合と本部機能の整理だ。2024年秋には福岡銀行だけで4店舗の集約が予定されており、跡地は簡易窓口への転換が検討されている。これは序章に過ぎない。
業界全体の動きを見ると、地銀同士の合併は全国で加速している。十八銀行と親和銀行、第四銀行と北越銀行など、大型統合の事例は珍しくなくなった。業界の予測では、10年以内に「県に1つの銀行」から「九州全体で1~2行」への集約が進むと見込まれている。
この過程で何が起こるのか。まず、店舗数が減る。支店が消えれば、営業店舗職から本部機能への配置転換が増える。
次に、本部機能の重複を排除するため、人員削減が進む。そして最も大きな変化は、組織の混乱期における大規模な人事異動と転勤の増加だ。重要な点は、「吸収する側」福岡銀行でも、生き残りが保証されていないということだ。
統合の過程では、同じポストに複数の人間がいれば、どちらかが配置転換や退職勧奨に直面する。昇進枠が狭くなり、ポストが消えていく環境では、これまで以上に組織内の階級闘争が激化する可能性は高い。さらに、組織再編の過程では大規模なリストラの可能性も指摘されている。
統合による効率化の名目で、本部機能の大幅削減、営業店舗の統廃合が加速すれば、10年後のポスト数は現在の60~70%に減少する可能性も考えられる。つまり、福岡銀行の行員が感じている「稼げない」「昇進が遅い」「将来が不安」という感覚は、決して錯覚ではない。それは個人の能力不足ではなく、営業基盤の縮小、組織の再編、業界の構造的変化という波が、同時に押し寄せている現実の反映だ。
福岡銀行で働く人たちが感じている不安は、根拠のないものではない。年500万円の壁を越えられない給与構造、人口減少エリアでの経営基盤の脆弱さ、昇進の非透明性、そして業界全体の大型再編。これらが同時並行で進行している現在、「安定を求めて銀行に入った」という選択が、本当に安定なのかどうかは、今一度問い直す必要がある時期に来ている。
では、どうすればいいのか?
銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。
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