静岡銀行をやめたい―その気持ちが生まれる理由と働く人の本音

変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは

「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。

メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。

地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。静岡銀行で働く人の中には、「辞めたい」という気持ちを抱えている人が少なくありません。検索キーワードに浮かぶのは、そうした葛藤の証です。

でも、その気持ちを持つのは、あなたが弱いからではありません。銀行そのもののキャリア構造と経営環境が、多くの人に同じ問題を生み出しているからです。

時給換算すると見えてくる―有価証券報告書741万円の落とし穴

静岡銀行の有価証券報告書には、2023年3月期の平均年収が741万円と記載されています。静岡県内ではトップ水準の給与とされ、新卒採用の広告でも強調されています。ただ、この数字の裏側には、多くの若手が見落としがちな現実が隠されています。

新卒1年目の基本給は、約27万円程度。2年目は35万円前後に上がりますが、3年目でようやく40万円～45万円程度に到達します。ボーナスは年次で決まっており、若手のうちは個人の成績がほぼ反映されません。

つまり、営業として数字を大きく上回る成果を出しても、ボーナスはほぼ変わらないということです。これを時給に換算してみるとどうなるか。新卒1年目、月27万円とすると、週50時間働けば時給換算は約1,200円程度。

残業が月25時間程度だとしても、それを加えても時給は1,300円を超えません。コンビニのバイトとほぼ同じ水準です。「県内トップ水準」という言葉の裏には、この実感とのズレがあるのです。

新卒から3年目までの給与カーブ：本当に「県内トップ水準」なのか

OpenWorkなどの口コミサイトを見ると、同じ静岡銀行で働く人たちから「若手のうちは非常に給料が少ない」という声が繰り返し挙がっています。新卒9年目で年収650万円という例も報告されており、これは同期入行の管理職への昇進率や、昇給スピードの構造的な制限を示唆しています。3年目から4年目にかけても給与の伸びは「割と緩やか」という表現が複数の口コミで使われています。

ここで重要なのは、この時期こそ、人生で最も給与が上がるべき時期だということです。多くの人は20代後半から30代前半で結婚資金を貯め、住宅ローンの審査を受け、子どもの教育費を見積もります。その時期に給与が上がらないとすれば、人生設計そのものが狂ってしまう可能性があります。

管理職になるまで給与が「緩やか」な現実

給与の跳ね上がりは、課長などの管理職に昇進するときに初めて起こります。それまでの10年近くは、年1～2万円程度の昇給が続く構造になっています。つまり、平均年収741万円という数字は、管理職と若手の平均を取ったものであり、若手単独の平均ではないということです。

この給与体系は、人事制度改革の影響を受けています。2021年の改定で、課長以上が管理職化されました。その結果、基幹職として名だけ昇格させられた人たちが、時間外手当を失い、実質的に減給してしまったという例も報告されています。

若手にとっても、その人たちを見ている若手にとっても、「昇進＝収入増」という単純な図式は成り立たなくなっているのです。週50時間働いて月27万円。その状態が3年続く。

辞めたいと思うのは、決して贅沢な悩みではありません。

10年働いても支店長になれない―昇進の椅子取りゲーム

静岡銀行で支店長になるためには、通常、入行から15年以上が必要とされています。係長が7～8年目、課長が10年目以降、支店長が15年目以降というのが標準的なキャリアパスとされていました。「されていた」というのが重要です。

その標準的なキャリアは、もはや幻想に近いものになっています。

「係長、課長、支店長」の標準キャリアはもう幻想

昇進枠が確実に減少しているという事実が、複数の口コミから浮かび上がります。同期が5人いたとしても、20年後に支店長になれるのは、その中の1人か2人、あるいは0人かもしれません。入行のときは「努力すれば支店長になれる」と信じていたとしても、10年目に差し掛かる頃には、その夢が現実的ではないことに気づき始めます。

課長職が階層化され、「マネージャー」と「クルー」という2階層に集約されたという人事制度改革も関係しています。ポストの総数自体が減っているのに、評価基準が不透明だと感じる人が多くいます。営業数字を目標より大きく上回って獲得しても、評価されないという経験をした人もいます。

つまり、昇進のルールが見えづらくなり、単なる椅子取りゲームになってしまったのです。

店舗統廃合で減ったポスト、増える競争相手

2023年3月時点で、静岡銀行の従業員数は3,506名。前年比で574名が減少しています。この減少は自然な退職だけではなく、組織の統廃合を反映しています。

東静岡駅支店と相生支店が2021年10月に閉鎖され、近隣支店の「店舗内店舗」として統合されました。この統合により、営業人員は集約され、ノウハウは共有されるかもしれませんが、支店長というポストは確実に減りました。静岡県の人口は2040年には約315万人まで減少すると推計されており、現在の約363万人から約13%減少することになります。

支店数は減り、ポストは減り、一方で競争相手は減らない。むしろ、限られたポストを巡る競争は、より激しくなっていくのです。10年働いても支店長になれない人が大多数です。

その現実の中で、毎日目標を追い続ける。虚しさを感じるのは、当然の反応です。

3年ごとの転勤と人口減少地域への配置―消滅可能性の支店に異動通知

静岡銀行の営業エリアは広大です。静岡県全域に加え、東京、神奈川、愛知、大阪、そして海外にも拠点があります。その中で、3～5年に1回の転勤が待っています。

転勤は「ムーブスタイル」と「ホームスタイル」の2種類に分かれており、ムーブスタイルを選ぶと初任給は280,000円、ホームスタイルだと253,000円という初期差がつきます。

「新幹線通勤できる」という寮設備の優しさと、家族を置き去りにする現実

静岡銀行の転勤制度は、一見すると配慮されているように見えます。寮があり、月5,000円以下で住める。新幹線通勤をしている社員も珍しくないといいます。

ただ、この「優しさ」の背後には、厳しい現実があります。子どもが産まれたとき、配偶者がキャリアを築いているとき、親の介護が必要になったとき。人生の大切な場面で、転勤通知は容赦なく来ます。

新幹線で往復できるエリアならまだしも、遠方への配置もあり得ます。特に、人口減少が進む地域への配置は、家族とどうするかという難しい選択を迫ります。ホームスタイルを選んで初任給を下げたとしても、転勤に同意が必要とはいえ、会社の事情で「この支店に行ってほしい」と言われれば、拒否しづらい雰囲気があります。

複数の口コミから「人事異動は会社の都合となるため、自分の人生を会社に牛耳られている感覚」という言葉が出てくるのは、そうした構造を反映しています。

2040年に県人口13%減、あなたの転勤先に顧客は残るのか

ここで重要な問いかけがあります。15年後、あなたが転勤された支店には、顧客はどれだけ残っているのか。静岡県内35市町のうち複数が、人口減少で「消滅可能性自治体」に該当するという分析があります。

特に伊豆地域や北遠地域では、20～39歳の女性人口が2010年比で2040年には約40%減少する見込みです。これは、その地域の経済活動そのものが縮小することを意味します。転勤先の支店が、10年後に統廃合の対象になる可能性さえあります。

そんな中で、異動通知を受けるたびに、あなたの人生設計をリセットしなければならないのです。家族の笑顔と、銀行のキャリア。二者択一を迫られ続ける人生。

それを「当たり前」として受け入れ続けることが、本当に可能でしょうか。

「ノルマか、顧客か」―営業現場で毎日揺らぐ判断軸

営業現場には、目に見えない葛藤があります。法人営業を志して入行した人たちが、毎日経験する矛盾です。

法人営業なのに多様なノルマに時間を奪われる矛盾

法人営業として融資業務に当たりたいと考えていた人が、実際に配置されると、融資ノルマ以外にも様々なノルマを背負うことになります。投資信託の販売ノルマ、保険商品の販売ノルマ、さらには預金ノルマ。複数のノルマを同時に追い続けることは、営業活動の本質を歪めてしまいます。

本来であれば、顧客のニーズを聞き、その事業に最適な資金繰りを提案することが、法人営業の仕事のはずです。ところが、月末が近づくと「この顧客には投資信託が必要だ」という判断ではなく、「ノルマを埋めるために投資信託を提案しなければ」という判断に変わってしまうのです。複数の口コミから、「顧客に寄り添いたい思いと数字のために不要な営業をしなければならないジレンマ」という言葉が出てくるのは、その葛藤を言葉にしたものです。

ノルマの時間に追われて、本来の営業活動に時間が割けないという状況は、法人営業を志した人たちの理想と現実のギャップを作り出しています。

仕組債販売中止前夜に顧客に告知しない営業姿勢の葛藤

特に重要な事例が、2023年6月頃の仕組債販売停止問題です。ある顧客が2,000万円の仕組債を購入したのは、販売停止の直前日でした。翌日から販売停止になることが、営業側で分かっていたにもかかわらず、その情報を顧客に伝えずに勧誘と売り込みが行われたというのです。

その顧客は「お金儲けの為なら平気なんですかね」とコメントしており、この事例は単なる営業手法の問題ではなく、顧客信頼の根本に関わる問題です。これを営業現場で知った人たちは、どう感じるでしょうか。自分たちが追い続けているノルマが、こうした形で達成されるのだとしたら。

営業現場で毎日この葛藤と向き合っている人たちの心理的負担は、数字では測れません。「ノルマか、顧客か」という問いに、答えのない日々を過ごしている。その疲弊は、単なる「営業ストレス」では片付けられないものです。

ノルマを追うために、顧客を裏切る営業活動。そんな営業になりたくないと思う気持ちは、極めて健全です。辞めたいと思うのは、あなたが営業に向いていないのではなく、その矛盾に気づいているからです。

静岡銀行で働く人が「辞めたい」と思う理由は、決して一つではありません。給与体系の構造、昇進枠の減少、転勤による人生設計の混乱、営業現場での葛藤。これらは個別の問題ではなく、銀行全体の経営環境と組織構造から生じている、構造的な問題なのです。

そして最も重要なのは、こうした問題を感じているのは、あなただけではないということです。若手の離職率が3年で25～30%に達しているという統計は、その痛みが多くの人に共有されていることを物語っています。あなたが感じている違和感、疲弊感、虚しさ―それらは個人の問題ではなく、システムの問題なのです。

辞めたいと思うのは、あなたが弱いからではありません。この構造の中で違和感を持つのは、むしろ健全な反応です。自分の人生を大切にしたいと考えるのは、当然のことなのです。

では、どうすればいいのか？

銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。

その気持ち、よく分かります。実は、私はこれまで2000人以上の方の相談に乗ってきました。みなさん、同じような悩みを抱えていました。

「何から始めればいいのか」「自分にできるのか」「失敗したらどうしよう」でも、一歩踏み出した人たちは、確実に変わっていきました。LINEでは、私が実際にやってきた方法を具体的にお伝えしています。押し売りではなく、あなたの状況に合わせた提案をしたい。

まずは話を聞いてみませんか？

ここまでブログを読んでいただきありがとうございます！