変わりゆく銀行業界―「安定」の幻想とは
「銀行員は安定している」そう思われていた時代は、もう過去のものかもしれません。みずほ銀行は、今後10年間で1万9000人の削減を計画しています。三井住友銀行も、店舗統廃合を加速させています。
メガバンクでさえ、この状況です。「大きすぎて潰れない」と言われていた存在が、今、大規模なリストラと店舗削減を進めている。これが意味することは何でしょうか。
地方銀行は、さらに厳しい状況に置かれているかもしれません。
年収629万円と446万円―見えない170万円の落差が示すもの
百十四銀行の有価証券報告書には、平均年収が629万円と記載されています。しかし、OpenWorkなどの口コミサイトに寄せられた従業員の声を集計すると、実際の平均年収は446万円という数字が浮かび上がります。180万円近い乖離です。
なぜこんなことが起きるのか。答えは単純です。支店長や部長といった管理職の年収が、全体の平均を大きく押し上げているからです。
若手行員の現実は、公式発表とは全く別の世界にあります。
「初任給26万円、2年目までのボーナス10万円」という現実
新卒で百十四銀行に入行すると、初任給は26万円です。手取りはもっと少ない。そして最初の数年間、ボーナスは驚くほど少ない。
「2年目までは手取りボーナス10万円程度」という口コミが複数寄せられています。月給26万円、年2回のボーナスが各10万円。年収にすると約332万円です。
週5日、1日8時間、年間240日働く。時給に換算すると、約1,725円。都市圏のコンビニエンスストアの時給と、ほぼ変わりません。
「大学を卒業して、銀行に就職した」という選択肢の先にあるのが、この現実です。同期の友人が別の職種に就いていれば、この給与水準の差は、年を追うごとに心理的な負担になっていきます。福利厚生が良いからと説明されても、生活水準の差は隠せません。
「同じように働いているのに、なぜこんなに差があるのか」と思うのは、ごく自然な感情です。
有価証券報告書と口コミサイトの乖離が物語る若手の困窮
興味深いのは、この数字の乖離そのものが、百十四銀行という組織を象徴しているということです。トップ層の年収が引き上げられている一方で、若手の給与は、金融業界の中でも「やや低い」という評価さえ出ています。同じく地方銀行である伊予銀行や四国銀行との比較でも、「他の地方銀行と比べるとやや低い」という声が聞かれます。
つまり、限られたパイの中で、管理職と若手の給与格差が特に大きい構造になっているということです。責任のレベルが違うのは理解できます。しかし、営業ノルマを背負い、顧客対応に追われ、研修と試験勉強に時間を割く若手が、実質時給1,700円台で働く状況を、「正当な労働条件だ」と言い切る人は少ないでしょう。
辞めたいと思う気持ちは、決して甘えではなく、この構造的な問題への当然の反応です。
3年ごとの転勤と「県外転勤のレール」―香川に帰れない人生設計
百十四銀行で働く人は、平均して3年程度で配置が変わります。この転勤サイクルは、銀行業界全体では一般的かもしれません。しかし、その影響は、個人の人生設計において非常に大きなものです。
百十四銀行は、香川県に本店を置きながら、11都道府県に131店舗を展開しています。本社採用で総合職として入行すると、「全国転勤が前提」となります。そして、一度「県外転勤のレール」に乗ってしまうと、「香川に帰ることが難しくなる」というのが、働く人たちの実感です。
いつあるかわからない異動におびえる毎日
3年ごと、という周期は一見「予測可能」に思えます。しかし、実際には「いつあるかわからない転勤や異動におびえる毎日」という表現が、複数の口コミに見られます。配置転換は組織の都合で決まるため、個人の希望や人生設計は後回しになります。
支店の人間関係が最悪だったとしても、「3年待てば異動がある」と自分を慰める。しかし同時に、その異動は新しい土地への移住を意味するかもしれません。築き始めた人間関係、習い始めた習い事、通い始めた病院、子どもが通う学校。
そうした日常の積み重ねは、簡単にリセットされます。転勤族として育つことを選んだ人もいるでしょう。しかし、そうではなく「香川に根を下ろしたい」と考えて入行した人にとって、この転勤システムは大きな苦痛になります。
実際、「配偶者の転勤が理由で退職した」という事例も記録されており、転勤は単なるキャリア上のイベントではなく、人生選択そのものなのです。
配偶者の転職や子どもの学校――家族の人生まで揺らぐ
より深刻なのは、転勤が本人だけの問題ではないということです。配偶者がいれば、その転職機会は制限されます。子どもがいれば、「子どもを同じ学校に通わせたい」という願いと、「親の転勤」という現実が衝突します。
子どもが中学・高校という時期に県外転勤が命じられたら、家族は分断されるかもしれません。配偶者が専門職であれば、転勤に伴う職歴の空白や再就職の困難さは、生涯賃金に響きます。親の介護が必要になったとき、遠距離では対応できない事態も考えられます。
「銀行員のキャリアのために、家族が人生設計を曲げる」という現実。その重さに気付き、辞めたいと思うのは、家族を愛する人の自然な感情です。 「安定した職業だから」「給料がいいから」という当初の動機は、現実の前に打ち砕かれることもあります。
向こう5~10年で20店舗削除―あなたの支店は10年後も営業しているか
百十四銀行は、2018年5月に重要な経営方針を発表しました。「今後5~10年で20店舗程度を削減する」というものです。現在131店舗が営業しているなかで、20店舗の削減は全体の約15%に当たります。
この発表から現在までの間に、具体的な統廃合がどの程度進んだのかは明確ではありません。しかし、発表のターゲット時期が2023年から2028年まで重なる現在、その実行局面に入っていることはほぼ確実です。
出世の椅子が減る、管理職ポストが消える
店舗数が減るということは、その支店を統括する管理職ポストも減るということです。支店長、副支店長、支店長代理といった役職の数が、今後10年で目に見えて少なくなります。現在、百十四銀行で働く若手行員たちは、長期的なキャリア設計において「昇進枠の縮小」という大きな逆風に直面しています。
年功序列で昇進する時代であれば、自動的に管理職に昇進する道が開かれていました。しかし、椅子の数が減る中では、同期の誰もが同じ昇進レールを歩むことができません。「資格試験に合格していれば、昇格しやすい」という仕組みがあると言われていますが、試験合格と昇格は別です。
試験に合格しても、「上司の評価がなければ昇格しない」という門番がいます。椅子が10個ある時代なら、条件を満たした10人全員が昇格できました。しかし、椅子が5個しかなければ、どんなに優秀でも昇格できない人が出ます。
この不安定さの中で、「これからの10年、自分の人生はどうなるのか」と考えるのは、ごく当然の思考活動です。
人口減少の激しい四国で「生き残ること」は可能なのか
さらに構造的な問題は、統廃合だけでは解決できないという点にあります。百十四銀行が営業エリアとしている四国全体は、日本の中でも特に人口減少が激しい地域です。香川県の人口は約94万人。
全国で最も人口の少ない都道府県の一つです。人口が減れば、貸出先も減ります。預金も減ります。
営業基盤そのものが縮小していく中で、20店舗の削減は「効率化」ではなく、「衰退への適応」という側面があります。「人口減少が激しい四国においては、地銀が単独で生き残ることは非常に難しい」という指摘が、口コミサイトに見られます。これは実務的な懸念ではなく、むしろ経営的な危機感であり、現場で働く人たちの本能的な警告です。
統合や再編の可能性も完全には否定できません。その時に自分たちの仕事がどうなるのか、雇用がどうなるのか。そうした不確定性の中で、「このまま銀行員を続けることが最善か」と問い直すのは、人生の責任を自分で引き受ける人ならではの思考なのです。
ノルマと罪悪感の間で―「お願い営業」で顔なじみの高齢者にまで商品を売りつける
銀行員の日常の中で、最も心を削るのは営業ノルマです。百十四銀行の営業現場では、特に投資信託と生命保険の販売ノルマが厳しくなっていると報告されています。そしてそのノルマ達成のために、働く人たちは深刻なジレンマに直面しています。
投資信託と生命保険、手数料が高い商品ばかり
銀行が扱う投資信託と生命保険は、手数料が高い商品であることが多いです。顧客本位の営業をするなら、「この商品はあなたにとって本当に必要か」「手数料を考えると、本当に利益が出るか」という検討が欠かせません。しかし、ノルマ達成を急かされる環境では、その検討は後回しになりがちです。
「お願い営業」という表現が、複数の口コミに出てきます。これは、営業手法の中でも最も倫理的に危ういものです。「お願いだから、この商品を買ってください」営業対象が顔なじみの高齢者なら、その言葉の重みは増します。
相手を信頼しているからこそ、「お願い」という言葉で応じてくれる。その信頼を、ノルマ達成のために使う。この構図の中で、銀行員は二つの立場の間で引き裂かれます。
一方は「顧客本位の営業人」、もう一方は「ノルマ達成を求められる組織人」です。 その両立が可能なら、誰も苦労はしません。
達成できないからと「ノルマが追加される異常」
さらに異常なのは、ノルマ達成できないときの対応です。「半年に1回ノルマが更新され、達成できないからとノルマが追加される」という口コミが示しているのは、ノルマのゴールポストが常に動いているということです。通常、企業目標というのは期初に設定され、期末にその達成度を評価されます。
しかし百十四銀行では、「達成できそうにないから、ノルマを増やす」という逆方向の圧力がかかる。これは目標管理というより、懲罰に近い仕組みです。このサイクルの中では、モチベーションは尽きます。
どれだけ頑張っても目標は高くなり、それでも達成できなければ、さらに高く設定される。この無限ループの中で、「顧客に申し訳ない」という罪悪感と「ノルマをクリアしなければ評価されない」という恐怖が、一人の行員の心を蝕みます。辞めたいと思うのは、これが仕事の「ストレス」の域を超えて、自分の価値観と矛盾する行動を強いられているからです。
「こんな営業をしたくない」という内的葛藤は、給料で埋められるものではありません。
これらの四つの問題は、決して「その銀行固有の現象」ではないかもしれません。金融業界全体に蔓延する構造的な課題なのかもしれません。しかし、だからこそ重要なのは、「辞めたいと思う気持ちが正当であることの確認」です。
低い給与水準。予測不能な転勤。縮小する昇進枠。
やりがいと矛盾するノルマ営業。これらの問題の前で、「まだ辞めずに踏ん張るべきか」と悩む人は多いはずです。しかし、その悩みの根底にあるのは、組織へのロイヤリティではなく、不安や迷いです。
自分の人生の主導権を、組織に預けたままでいいのか。その問いに真摯に向き合うことは、決して「逃げ」ではなく、「選択」です。
では、どうすればいいのか?
銀行一筋は大きなリスクを伴う時代です。収入源を多様化することが重要。でも、「どうやっていいのか分からない」AI副業とか聞くけど、具体的に何をすればいいのか。
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